S&P500月例レポート(2016年11月配信)

 世界経済に関するニュースでは、中国の9月の輸出(米ドル建て)は前年同月比10.0%減、輸入は同1.9%減となり、貿易黒字は420億ドルとなりました(人民元は対米ドルで6年ぶりの安値になっています)。中国の第3四半期GDP成長率は前年同期比6.7%(予想通り)、9月の小売売上高は10.7%増(予想通り)、9月の鉱工業生産は6.1%増(予想を若干下回る)となりました。ユーロ圏の8月の鉱工業生産は前月比1.6%増(市場予想は1.1%増)、前年同月比では1.8%増でした。ドイツの8月の鉱工業生産は前年同月比5.4%増となりました。英国の9月の消費者物価指数(CPI)は2年ぶりの高水準となる前年同月比1.0%上昇となり(イングランド銀行の目標は2.0%)、コアインフレ率は1.5%でした。英国の8月の製造業生産は前月比0.2%増(予想は0.5%増)、失業率は同横ばいの4.9%で、11年ぶりの低水準を維持しています。OPEC加盟国の9月の産油量は過去最高の日量3,364万バレル(前月比同16万バレル増)となり、ロシアは11月30日のOPEC総会で減産を支持すると表明しました。原油価格は一時、15カ月ぶりの高値となる1バレル51.57ドルを付けましたが、最終的に9月末時点の48.05ドルから2.48%下落の46.70ドルで10月の取引を終えました。英国では、EU離脱を決めた国民投票以降、最初の四半期となった第3四半期GDP成長率はプラス0.5%と、予想の0.4%を上回りましたが、第2四半期の0.7%を下回りました。

 米国経済関連では、9月の自動車販売台数が減速し、購入促進を目的として奨励金が引き上げられ、需要が奨励金頼みとなっていることが示唆されました。製造業購買担当者景気指数(PMI)は、8月の52.0に対して9月は51.5に低下しました。9月の生産者物価指数(PPI)は前月比0.3%上昇、前年同月比では0.7%上昇となり、食品とエネルギーを除くコアPPIは前月比0.2%上昇、前年同月比で1.2%上昇でした。9月のサプライ管理協会(ISM)製造業景気指数は50.2の予想に対して51.5となり(8月は49.2)、ISM非製造業景気指数は予想の52.9を大幅に上回る57.1となりました(8月は51.40)。9月のCPIは前年同月比1.5%上昇、コアCPIは同2.2%上昇と、FRBにとって好ましい結果となりました。8月の製造業受注は0.2%増(予想は0.2%減)で、7月分は当初発表の1.9%増から1.4%増に下方修正されました。8月の建設支出は前月比で0.7%減(予想は0.35%増)、前年同月比では0.3%減(7月は1.5%増)となりました。9月の貿易統計では、輸出は前月比で0.3%増加しましたが、前年同月比では依然として1.1%減と前年割れが続いています。輸入は前月比0.1%増、前年同月比では1.5%減でした。9月の小売売上高は予想通りの0.6%増と力強い伸びを見せ、8月は当初発表の0.3%減から0.2%減に上方修正されました。9月の鉱工業生産指数は予想通りの0.1%上昇となり、製造業指数は0.2%上昇(予想は0.1%上昇)となった一方で、設備稼働率は予想の75.6%を下回る75.4%となりました。第3四半期GDP成長率の速報値は市場予想を上回り、経済全体の成長が続いていると市場が確信するのに十分な結果でした。年率換算で2.5~2.6%の市場予想に対して2.9%となり、第2四半期の1.4%から大幅に加速して2年ぶりの高い伸びとなりました。ただし、改善しているとはいえ低めの成長であることに変わりはなく、2009年の景気後退以降の経済成長率は少なくとも1949年以降で最も低い水準が続いています。9月の個人所得は0.3%増と、予想の0.4%増をわずかに下回り、個人消費支出は予想通りの0.5%増となりました。PCE価格指数も予想通りの前年同月比1.2%上昇で、コアPCE価格指数は同1.7%上昇でした。

 雇用関連では、9月の雇用統計の非農業部門就業者数は15万6,000人増と、予想の16万8,000人増に達しませんでした。失業率は前月の4.9%から5.0%に上昇し、労働参加率は前月の62.8%から62.9%にわずかに上昇しました。時間当たり平均賃金は8月の25.73ドルから0.2%増加して25.79ドルとなり(前年同月比では2.6%増)、週平均労働時間は前月の34.3時間から34.4時間に増加しました。予想未達が小幅にとどまったことで市場はほとんど反応しませんでしたが、FRBは事態をやや深刻に捉え、9月の労働市場情勢指数(LMCI)はマイナス2.2%、8月もマイナス1.3%に下方修正されました(当初発表はマイナス0.7%)。8月の米求人労働移動調査(JOLTS)の求人数は、544万3,000人となり、7月の583万1,000人から減少しました。

 雇用削減に関しては、スウェーデンの携帯電話機メーカーEricsson(ERIC)はコスト削減策の一環として3,900人を削減すると発表し、1週間で株価は32.5%下落しました。通信サービス大手のVerizon(VZ、10月は7.5%安)は5カ所のサービスセンターを閉鎖し、3,200人を削減すると発表しました。自動車メーカー大手のVolkswagen(VLKAY)は電気自動車の生産に注力し、今後数年間で1万人を削減するとの計画を発表しましたが、株価は1週間で2.9%上昇しました。

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