イノベーションを対話する~起爆力は何か

・一方で、日本の企業は、現在の本業に経営資源を投入しすぎており、本業の改善ばかりに取り組んでいるのではないか、という見方も有力である。イノベーションを実行したいという意向はあっても、掛け声に留まって、全体がうまく回っていないことも多い。今の本業が収益源であるから、そこに陰りや綻びがみえると、本業強化の方を優先すべしとなってしまう。

・イノベーションというのは、挑戦してもうまくいくかどうかが分からない。経営資源を過度に投資しすぎて、本業が傾き、新規分野の失敗も負担となっては、会社がもたない。リーダーは責任をとりきれない。そこで、危ないことはとりあえずやめておこう、ということになりかねない。

・しかし、よくみると、どの会社にもイノベーターはいる。むきになって、他と違うことを目指す人はいる。外部のベンチャーにも人材はいる。とりわけ、海外にはそういうイノベーターが多い。そのような異能な人達をどうマネージしていくのか。新しいビジネスモデルにまで、どう仕上げていくのかが問われる。そのための組織能力作りという点で、DTCの7つの軸による分析は意義があろう。

・アンケートは2800社に出して、返ってきたのが200社あまりである。答えていない企業は、7つの評価軸で見た時、上位にはこない会社かもしれない。まだ、イノベーションマネジメントが十分でない可能性はある。

・資本市場には、プライマリーとセカンダリーのビジネスがある。インベストバンキングなど、プライマリーは企業の中に入ってビジネスやファイナンスの提案実行を行うグループである。彼らは、企業の構造改革やM&Aを提案し、サポートする。それが効果を発揮することも多い。

・資産運用会社や金融商品の販売会社などのセカンダリーは、上場企業を投資家の視点で評価し、行動するグループである。昨今は、企業の稼ぐ力を高めるために、ガバナンス改革が注目され、CGC(コーポレートガバナンスコード)やSSC(スチュワードシップコード)が制定され、実行に移されている。原則が示され、それに対応することで、ガバナンスが向上する企業も出始めている。

・ガバナンスと同じように、企業の持続的成長を支えるには、イノベーションは必須である。今のビジネスモデルを、新しい企業価値創造に向けて、次のビジネスモデルへトランスフォームしていく必要がある。

・このイノベーション力を底上げするために、企業として何をすべきか。そのプロセスについて、投資家との対話が具体的になされるのであれば、その意義は大きい。目先の業績ではなく、中長期的な成長に関わるイノベーションの推進とその対話の中身には、今後とも大いに注目したい。
 

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