2016年10月3日時点での主要市場見通し

・ただ、欧州ではECBのマイナス金利政策により、金融機関の収益環境は厳しい。個別行の破たんは、今後否定できない。ただし個別の経営破たんが全体の金融システムに不安をもたらすようであれば、EU、ECB、各国政府はそれを容認せず、潤沢な資金供給などの対応策を打ち出そう。

・以上の経済環境を踏まえれば、世界的に2017年に向けては、株高・外貨高(円安)傾向が見込まれる。

・特に日本株は、予想PERが安倍政権発足後のレンジ下限で推移しており(図表4)、依然として割安に放置されている。中長期的には、何らの新規の好材料がなかったとしても、株価の上方への水準訂正が期待される。

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・ただし目先(11月初旬にかけて)は、株安・円高が進む恐れが強いと考える。その要因は、主に3つある。

・1つ目は、米国株価が予想PERで見て高すぎる状態にあるため、その調整が生じると懸念されることだ(図表5)。近年でのPER調整は、2015年7~8月(図の左の丸印)と今年1~2月(右の丸印)に生じ、ともに株価指数が10~15%下落した。目先も、同程度の株価下落が見込まれよう。

・とは言っても、米国経済の基調が悪化するわけではなく、米国株価が下がる理由はPER調整だけであるため、株価が短期的に下落してPERの水準が低下すれば、そこからは、再度米国株価は上昇基調に復すると予想する。

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・2つ目は、米大統領・議会選挙(11月8日投開票)において、候補者が、「米輸出企業の雇用を守るため、米ドル安・円高および中国元高が望ましい」といったような発言を行ない、それが米ドル相場を押し下げる(円高になる)恐れがあることだ。また、10月には、米財務省為替報告書が公表される予定(過去に11月に公表がずれ込んだことはある)で、4月に続き、日本を「監視リスト」に載せるなど、米ドル高に対するけん制色が強く打ち出される可能性が高い。

・しかし米国での選挙などが一巡すれば、政治的な米ドル安圧力は剥落し、その後は米景気の堅調さ(およびそれに沿った米連銀の緩やかな利上げ)と並行的に、米ドル高に向かうと予想している。

・3つ目は、日本株に関連して、企業業績は7~9月期まで前年比で2割程度の減益が見込まれており、前年比ベースでの改善は10~12月期からになると予想されている。このため、決算発表前に企業側が自社の収益見通しを下方修正すると懸念されるうえ、7~9月期の決算発表が一巡する11月上旬までは、国内株式市況は、収益悪化を織り込まざるを得ないだろう。

・とりわけ、国内消費者のマインド停滞と、中国人観光客による「爆買い」の剥落で、高価格帯の小売・外食・消費財産業が、足元では大きく打撃を受けている。また夏場の台風の多さも、消費関連産業に影を落としたようだ。

・こうした収益面での昀悪期を織り込めば、その後は収益持ち直し期待に沿った、国内株価の水準訂正が期待できる。

・以上より、世界市場の先行きについては、目先は調整、中長期的には好転を、予想しているわけだ。

以上、シナリオの背景。このあと、前月号(2016年9月号)見通しのレビュー。

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