プレミアム会員を軸としたソリューションサービスの再点検~PCデポのケース

・ポイントは、70歳以上の高齢者に対しては、新規加入する場合、家族や第三者の確認をとることにした点にある。なお、40万人の会員のうち75歳以上は全体の6.5%であり、中心は40代~50代のミドルシニア層である。

・さらに、具体的な取り組みとして、①全会員にダイレクトメールとダイレクトコールを行い、サービス利用の実態把握と確認を行う、②店頭に会員専用カウンターを置いて、対面での説明、案内、確認も行う、③店舗にプレミアムサービス品質管理スタッフを新規において、必ず店舗スタッフとは別に、契約内容の確認をするダブルチェック体制をとる。そのための店舗品質管理スタッフは100名を用意する。こうした活動を9月より順次開始している。

・社長直轄の300人規模のプロジェクトで、サービスが顧客のニーズに合致しているかをチェックしていく。40万人に対して行う。作業としては3カ月から6カ月を要しよう。

・社員教育も徹底して、品質管理スタッフによるチェックも入れていく。よって、ニーズに合わないプレミアムサービスの見直しが大きく進むことになろう。

・そこで最大のポイントは、現在PCデポのサービスを利用していて、すでに不満をもっており、今回の問い合わせで、改めてサービスを見直す人、解約する人がどのくらいいるだろうか。通常、月間の解約率は0.6~0.8%程度である。

・これは調査の結果を見なければわからないが、①ここ数年サービス需要は年20%ペースで伸びてきた、②3年を経るとサービス期間は一巡して更新期に入るが、その頃には機器の入れ替えもおきてくる、③この間サービスメニューも逐次新しくなってきた、という点は考慮しておく必要があろう。

・2017年3月期の業績は大きく落ち込もう。今回の事案の影響は8月半ばからスタートする。2Qの半分からなので、本格的な影響は下期からになろう。前期の売上高517億円、営業利益43億円に対して、今期当初の会社計画は同540億円、同49億円であった。

・これに対して、4つのシナリオが考えられる。
 1)現状のまま特にさほど影響が出ない。この可能性はありえないので、今期の会社計画は達成できないとみてよい。
 2)サービスの伸びが止まる。この可能性はかなり高い。今後1年間サービスの伸びが止まるとすると、売上高520億円、営業利益40億円程度となろう。
 3)加えて既存の解約で売上が減少する。この可能性が最も高い。既存の会員の解約が従来の比率に比べてかなり高まるとすると、売上高490億円、営業利益30億円程度となろう。
 4)ビジネスモデルが崩れる。この可能性はほぼないとみているが、もしそうなると、売上高400億円、営業赤字-20億円程度となろう。

・出直しで体制を強化し、信頼をいかに取り戻すか。今から3カ月から6カ月かけて全ての顧客に確認をとり、ニーズに合致したサービスのみがきちんと残り、そこをベースに新たなる営業活動に入るという流れになろう。

・今下期が業績のボトムであり、来期からは営業に力が入ってこようが、業績が前年同期で上向いてくるのは、来下期からになろう。よって、順調に乗り切って、これまでより一段と強い体制になるには2年を要しよう。

・好業績を反映して、株価が1500円を超えた時には、今期の業績(会社計画)をベースにPERで20倍水準まできた。それが今回の事案を契機に、当社のサービスを抜本的に点検するということになった。既存の解約が増えるという業績のケースでみると、営業利益は当初計画を3割ほど下回る。PERも切り下がるので、妥当株価ゾーンは600~700円程度となろう。

・顧客の会員化がどうなるか。信頼を取り戻して、ストック効果をどのように高めていくか。一人でいくつかのハードを所有する、ファミリーでいろいろ使うなど、さまざまなパターンがあるので、こうしたユーザーをメンバー化することによって、サービス提供の効果を高めていく余地はこれからも大きい。

・PCの販売からサービスで稼ぐという仕組みに切り換えると決断したのが2005年である。それから8年をかけて、ビジネスモデルの転換を進めてきた。今回の問題を乗り越えて、当社のビジネスモデルがニッチな存在として続くのか、野島社長の対応が注目される。

・デジタル機器に慣れていない人を助けるというサービスの本質が、一つの事案を契機に疑われた。しかし、ビジネスモデルが崩れたわけではないので、今回の抜本的対応をベースとして、どこまで回復できるかに注目したい。
 

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