統合レポートから何を学ぶか~オムロンのケース

・オムロンの2016年版統合レポートが8月に出されたので、早速読んでみた。今回は、企業価値の評価という視点ではなく、日ごろ十分に馴染んでいないことを学ぶ、という観点で目を通してみた。

・「学ぶ」という立場で熟読すると、統合レポートは実によくできた“事例に基づく価値創造の教科書”であると、改めて感心した。その中からいくつかを取り上げてみる。

・第1は、価値創造のストーリーをどのように展開するのか。まず何よりも、大切にしている企業理念に基づいて、世に先がけて商品・サービスを生み出し、社会的課題の解決に貢献する。この貢献を通して、企業価値を持続的に向上させていく。それをわが社の言葉で語ることである。

・第2は、経営の重要課題をどのように決めていくのか。10年間の長期ビジョンの実施に向けて、①成長力、②収益力、③変化対応力の3つの軸から、取締役会での議論を経て重要課題を決定する。その時、株主・投資家をはじめとするステークホールダーとの対話に基づく意見も、取締役会にフィードバックして織り込んでいく。

・第3は、プロダクトのポートフォリオ・マネジメントである。1)売上高成長率(%)×ROIC(%)で経済的価値評価を行い、次いで、2)市場成長率(%)×市場シェア(%)で市場価値評価を行う。大事な指標はROICである。自社で新しい事業を生み出したり、必要な分野のM&Aを手掛けたりする一方で、撤退させる事業も同じプロセスからきちんと決めていく。

・第4は、社会的課題の抽出である。オムロンでは人材不足や生活習慣病の増加などを社会的課題ととらえ、それに対して、「センシング&コントロール+Think」に基づく独自技術開発を活かし、商品・サービスを生み出し、新たな価値を提供していく。

・このことによって、オムロンは、人的資本、知的資本、製造資本、財務資本を継続的に蓄積していく。これがビジネスモデルの骨格である。

・第5は、これからどんな世の中になるのか。創業者の立石一真が開発した未来を予測する独自のモデル、「SINIC理論(Seed種、Innovation革新、Need必要性、Impetus刺激、Cyclic Evolution円環的発展)」をベースに、ソーシャルニーズの創造を目指す。

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