S&P 500月例レポート(2016年9月配信)

 S&P500指数は、今年は通常の8月よりも薄商いとなり、過去10年間の8月の平均値と比べて出来高は18%減となりました。それでも、同指数は月内に終値ベースでの過去最高値を3回(日中ベースではそれ以上)更新しました。ボラティリティは低く、月間を通じて1%以上変動(上昇と下落のいずれも)した日は1度もありませんでした。個別銘柄でのイベントやニュースはありましたが、市場全体としては参加するよりも様子見の姿勢を取っていたようです。

 S&P500指数は8月に0.12%下落し、5カ月続いた上昇(累計で12.49%上昇)がついに途切れました(配当込みのトータルリターンはプラス0.14%)。下落と言ってもわずかな調整にすぎず、2月11日の安値(1,829.08)からは18.79%高の水準にあります。年初来では6.21%(配当込みのトータルリターンは7.82%)、年換算では9.443%(同11.92%)上昇となっています。最終的に、7月末の2173.30ポイントから下落し、8月15日に付けた終値での最高値2,190.15ポイントを0.88%下回る2,170.95で8月を終えました。

 8月は、10セクター中4セクターで月間騰落率がプラスとなり、7月の7セクターを下回りました。セクター、銘柄間でパフォーマンスには大きなばらつきがみられました。出来高が少なかったことも一因ですが、それ以上に、ニュースイベントに対する短期的反応に帰するところが大きかったように見受けられます。月間騰落率が最も高かったのは金融セクターの3.57%でした。足元のコンセンサス予想ではFOMCが12月に利上げを行うとみられており、金融セクターの上昇は利上げ(利益率に追い風となる)見通しに対する反応と思われます。これにより、同セクターの年初来リターンは2.66%の上昇とプラスに回復しました。7月に月間騰落率が7.81%でトップだった情報技術セクターは、決算発表が引き続き好調だったことを受けて8月も1.84%上昇し、年初来リターンは8.51%となりました。9月7日に予定されているAppleのイベントではiPhone7が発表される見通しで、情報技術セクターのカタリストになると予想されます。配当利回り株は月間騰落率が最下位となりました。公益事業セクターは8月に6.14%下落しましたが、年初来では12.95%のリターンを維持しています。同セクターにとっては利上げも悪材料です。電気通信サービスセクターは8月に5.73%下落しましたが、年初来リターンは14.88%と最も好調なパフォーマンスとなっています。エネルギーセクターは0.64%上昇しました。原油価格は40ドル台のボックス圏から上昇して50ドルの大台も期待されましたが、月後半に再び値を崩しました。セクターの年初来リターンは6.21%ですが、2年前と比べると依然として29.38%安の水準にあります。消費者関連セクターは全般的に下落し、一般消費財セクターは1.42%、生活必需品セクターは0.67%下落しました。ただし、年初来ではそれぞれ2.84%と7.80%とプラスのリターンを維持しています。

 8月は値上がり銘柄より値下がり銘柄の方が多く、S&P500指数構成企業のうち、値上がりは243銘柄(平均上昇率は4.82%)と7月の366銘柄から減少し、一方で値下がり銘柄は262銘柄(平均下落率は4.46%)と7月の138銘柄から増加しました。10%以上上昇した銘柄が31銘柄だった一方(平均上昇率は13.64%、7月は79銘柄)、19銘柄が10%以上下落しました(平均下落率は14.64%、7月は5銘柄)。また、1銘柄が25%以上の上昇を記録した一方(7月は5銘柄)、25%以上下落した銘柄はありませんでした(6月と7月もゼロ)。8月は値上がり銘柄数と値下がり銘柄数が逆転しましたが、年初来では値上がりした銘柄数と値下がりした銘柄数の差はさらに広がり、値上りした銘柄は355銘柄に増加し(6月は311銘柄、7月は338銘柄)、242銘柄が10%以上上昇している一方(7月は245銘柄)、値下がりした銘柄は7月の165銘柄から148銘柄に減少し、うち64銘柄が10%以上下落しています(7月の76銘柄から減少)。

 8月の市場は薄商いでしたが、9月に入れば夏休みも終わり、仕事復帰モードから市場にも活気が戻ると予想されます。手始めに9月2日の雇用統計と9月7日のAppleのイベントがあり、さらに第3四半期の決算シーズンを前にした業績予想や決算期のずれる企業の業績発表も予定されています。9月は20~21日のFOMCに注目が集まるとみられますが、市場では利上げの可能性は低いとみています。政局もヒートアップし、大統領選と連邦議会選挙をめぐる喧騒は市場にとって逆風となる恐れもあります。

 S&Pダウ・ジョーンズは、9月2日の取引終了後に、精密医療機器を手掛けるMettler-Toledo International(MTD)をS&P500指数に組み入れ、Tyco International(TYC)に買収されたJohnson Controls(JCI)を同指数から除外することを発表しました。さらに、9月7日の取引終了後に、ケーブルテレビのCharter Communications(CHTR)を同指数に組み入れる一方で、非公開企業のDELLに買収されるEMC(EMC)を同指数から除外することも発表しています。
 
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