S&P 500月例レポート(2016年9月配信)

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2016年8月: 退屈でのんびりとした8月が去り波乱含みの9月へ

 ブロード街やウォール街の生活はイベントに事欠かず、決して退屈なものではありませんが、8月の相場は退屈な展開となりました。8月は「1%の彼ら」への抗議行動を続けました。と言っても、相手は富裕層ではありません。我々は皆、彼らを支持しますが(特に彼らの仲間に加われるのなら)、相手は「1%変動の日」です。S&P 500が前回1%変動したのは1.53%高となった2016年7月8日です(前回1%下落したのは2016年6月27日で1.80%安でした)。ただ、7月8日以来、相場が1%変動した日はないものの、この間にS&P 500構成銘柄のうち108銘柄は10%以上値上がりし、20銘柄は10%以上値下がりしているようです。従って相場はある程度変動しているということです ― 国内のストックピッカー(選別買いをする株式投資家)のリターンを調べる良い機会かもしれません。出来高が少なく説得力に欠けるものの、8月は強気相場の様相を呈し、終値ベースで3回も最高値を更新しましたが、8月は「大幅に変動しないパーツ」を求めてウォール街を去って行きました。どこへ向かったのかは分りませんが、「今後の予定を気にせず」のんびりと責任のない日々を送れる場所を探しているのなら、ジャクソンホールに行けばよかったかもしれません。米連邦準備制度理事会(FRB)が保養地で示した方針はどっちつかずに見えます。利上げの根拠は「この数ヵ月で強まった」と指摘する一方で、「我々の判断は今後公表される経済指標が[FRBの]見通しをどの程度裏付けるかどうかに引き続きかかっている」と述べ、市場への影響はほとんどありませんでした。それより英国に行けばよかったのかもしれません。英国では賃貸セクターと持ち家セクターの差が大幅に狭まりつつあり、また米ドルがやや上昇しました(つまり英ポンドが下落)。英国に滞在していれば、イングランド銀行による2009年以来となる0.25%の利下げを見ることができたはずです。これにより政策金利は0.25%と、322年ぶりの水準に低下し、さらに引き下げられる可能性、あるいは(太平洋のこちら側ではないので、敢えていうと)マイナスとなる可能性さえあります。街に残ったトレーダー(両者とも)による8月の出来高は過去10年間の8月の平均値を18%下回りました。そして8月は市場が行動を起こす月とはされていません。

 8月の経済指標には異例な動きはなく、それが相場を押し上げ、前半は最高値の更新につながりましたが、後半はほとんど影響がありませんでした。住宅関連指標は(概ね)前進かつ上昇を続け、新築住宅販売件数は大幅に予想を上回りました。雇用も力強く、新規失業保険申請件数は低水準となりました。原油価格は7月に1バレル40ドル割れ目前まで下落した後、50ドルに挑戦しました ― 終値では届かなかったものの(8月の終値は44.82ドル。7月の41.48ドルから上昇)、市場の関心はアップサイドに向かっていました(4月の産油国の協議が失敗に終わったため、当社は9月26?28日にアルジェリアで開催される会合に注目しています)。FRBは9月の利上げ(または見送り)を依然として検討中ですが、他の中央銀行は景気刺激策の拡大を継続(日銀など)あるいは(オーストラリア準備銀行のように)利下げを実施しており、そうした中、金利は上昇して月を終えました(10年金利は1.58%と、7月の1.45%から上昇しましたが、2015年末の2.27%から低下を続けています)。

 その他のニュースとしては、ヘルスケア関連企業の間で医療保険制度改革法(ACA)に基づく保険販売からの撤退が続きました。またエネルギー情報局(EIA)は生産活動を「大幅に」押し上げるには原油価格は60ドルの水準が必要と述べました。自動車会社のFordは2021年までに完全自動運転車を実用化し、ライドシェア(相乗り)や配送サービス向けに提供する計画を明らかにしました。

 しかし9月が近づき、レイバーデイの祝日明けには皆が職場に戻ることから、市場が行動を開始するまで2週間もかからないとみられます。そうした状況下で、9月2日金曜日の雇用統計や9月7日のアップルの製品発表イベントは市場にとって、ある程度期待が高まる材料になるでしょう(その後は、米連邦公開市場委員会(FOMC)、決算期のずれる企業の業績発表、政治関連のイベントが控えています)。

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