2016年9月1日時点での主要市場見通し

・これに加えて、予想PERでみると、米国株価が割高な水準にある(図表2)。これは、世界を見渡すと、米国が昀も投資先として魅力的だ、という投資家の行動の表れとも言えるが、昀近2回ほど、株価が急速に下落する形で、PERの調整が起こっている(図中の丸印)。その2回とは、昨年8~9月の局面と、今年1~2月の局面だ。

(図表2)
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・直近2回の「価格調整」によるPER低下と同様の展開がこれから起これば、急速な米国株価の下落が米ドルをも押し下げ、日本株を一段と押し下げる要因となりうる。そうした「価格調整」を米国で引き起こす可能性がある大きな要因は、米長期金利の急速な跳ね上がりであろう。これは、米株安、米債券価格安、米ドル安の、トリプル安シナリオとなる。ただ、こうしたシナリオが実際に引き起こされても、昀近2回と同様、米国株価の下落率はせいぜい15%前後(あるいは、足元の米景気の堅調さを踏まえれば、それ未満)にとどまり、また下落後の株価は急速に元の水準を回復すると予想する。

・一方、そうした「価格調整」ではないシナリオとしては、次のようなものが想定される。すなわち、米連銀は、利上げに対し確固たる姿勢を示しつつも、引き続き経済や市場に対する配慮は、強くにじませよう。慎重な利上げ姿勢により、米長期金利の急速な跳ね上がりが生じず、じわじわとした金利上昇にとどまれば、米国株価は上昇せずとも、大きくは下げない展開を示現しよう。こうなれば、株価が足踏みする間に、企業収益水準が上昇することで、PERが低下するといった、「時間調整」の様相となろう。「時間調整」シナリオが実現化すれば、米国株価の動向は日本株の好材料とはならないだろうが、悪材料でもないだろう。

・以上のように、要因1)+2)+3)+場合によっては米国株の「価格調整」とそれによる米ドル安の上乗せで、9月途中から11月辺りにかけては、日本株安と米ドル安・円高を見込むわけだ。

・しかし長期的には、前述のとおり、世界株高と外貨高の流れを予想する。日本株と米ドル安・円高の動きが年内に一巡したあとは、その大きな流れに乗って、日本株や米ドル円相場も上昇基調に復すると予想する。

以上、シナリオの背景。
このあと、前月号(2016年8月号)見通しのレビュー。

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