Big Story世界情勢と日本株式をめぐる投資環境

政策により余剰資本の還流を
 一番可能性が高い有効と思われる政策はケインズ政策である。政府が借金をして需要を創る。そうすると遊んでいるお金が有効に使われる。これが今アメリカも安倍政権もやろうとしていることだ。そしたら経済が大きく活性化する。二つ目は金融政策、金融緩和を続けることで株価を押し上げ、企業は自社株買いをすることによって、株主・投資家にリターンとして家計の所得増加を通じて経済を引きあげるというシナリオ。三つ目は所得政策。政府が直接この余っているお金を国民に配ること。例えば賃金の上昇を企業に強制する。或いはユニバーサル・ベイシック・インカム、つまり全員に所得保障をする、例えば一人150万円差し上げる。人間は生存する権利があるので、従って皆に生存する原資を提供する。バラ色の世界で、誰も飢え死にする心配はなくなる。抜本的な社会政策、所得政策によってこの余っているお金を有効に活躍できるのだ。だれがそんなお金を稼ぐのか、原資はどこから出てくるのかというとテクノロジーである。ロボットや人工頭脳に働いてもらい、その稼ぎをどんどん皆に配って美味しいものを食べに行ったり、コンサートに行ったり、プロ野球観戦に行ったり、良い教育や医療を受ければサービス産業が発展する。これから人々の幸せをサポートするサービス産業隆盛の時代だ。恐らく観光産業はあと10年すればどこの国でも最大の基幹産業になるだろう。暇と金があったらまず皆観光したいと思うだろう。

生産性上昇にもかかわらず長時間労働が続き、経済のバランスを崩している
 しかしその先にはもっと高度な芸術などの人間的欲求充足の世界で人類は100年前のような貴族のようなレベルに生活が上昇する。今は週休二日で一日8時間働いていますが、せいぜい4時間で場合によっては週休3日、4日という時代になり得る。そうする余暇が大きいのでサービス産業大隆盛。夢ごとだと思うかもしれないが、イギリスで工場法ができたのは1800年代年産業革命直後で女性や児童が長時間に渡って働かされ、健康被害がひどくなっている状況を止めさせた。それが世界的にできたのが、1919年の国際労働機関(ILO)設立、過剰労働を禁止するための国際的な合意がされ、その1号条約では一日8時間、一週48時間が上限と定められた。翻って今、皆どれぐらい働いているかというと、一日8時間に収まっている人は少ない。明確なILO条約違反である。100年前から労働生産性は10倍以上、機械やロボットやコンピューターの寄与により飛躍的に高まっている。それにも関わらず皆100年前と同じだけ働いている、というのは考えてみれば異常である。働くだけ働いて、余暇の時間がないから需要を作れない、となれば成長できないのは当たり前である。このように考えると利潤率と利子率の乖離をどのように解決するかは、ひとえに需要創造、換言すれば人々の生活水準の向上、人類の幸せに繋げるかにかかっている。

政策選択で投資戦略は決まる
 そうした正しい政策がなされれば株が上がり、そうでなければ株は大暴落し、経済はロボットに職を奪われた失業者の増大により破綻する。だめな政策の典型的例は少し前の民主党政策、白川総裁時代の日銀政策である。デフレを容認し、遊んでいるお金をますます遊ばせる、「Cash is King」を放置する政策を続けたのだから、リーマンショック後の日本株価が世界唯一低迷を続けたのは当然である。

 このように考えれば、安倍政権の政策需要創造、遊休資本を活性化させる脱デフレ政策正しく、株価が大きく上昇してきたのも当然と言える。安倍政権は金融に重きを置いた政策からかなり大胆な財政政策にシフトしつつある。ただし、昔の財政ではなくて、例えば財政投融資の復活、PFIなど民間資金を活用したという装いのとった財政だ。

 このようなことがアメリカや日本で起これば世界的なケインズ時代に入る。直ちにベーシック・インカムなどの壮大な社会政策の導入、所得政策の導入は無理だとしてもその方向での模索も行われよう。育児手当、児童手当など、子供には国が生活費を保障するということは所得政策の一形態ともいえる。

 今はそういう時代、我々が働く代わりにロボットや機械が働いてくれるので原資はある、それを有効に使えばいいのである。このように考えると現在の、我々の困難は古い殻(思想や規範、場合によっては正義感)が邪魔をしているのだ。生産性が高まり、皆がもっと豊かになれるはずの状況にあるのに古い殻が邪魔している。古い殻のせいで稼いだお金が遊んでいる。遊んでいるから経済は場合によっては崩壊する。悲観論者がこの世がもう終わりだということは、無策で獲得した富(資本の余剰)が放置されれば起こり得るのである。

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