S&P 500月例レポート(2016年8月配信)

S&P 500®

2016年7月: そしてバンドは鳴りやまず

 2日間で株式市場から3兆ドル超が吹き飛んだ(ただし6月末までに損失分のうちの2兆ドルを回復)6月を「英国の奴らめ」という言葉で言い表すとすれば、相場が力強い回復を示し(月間騰落率は3.56%の上昇、配当込みで3.69%上昇)、終値ベースで史上最高値を7回更新した7月は「キャピタリストに恵みあれ」と言えるでしょう。7月に世界の株式市場の時価総額は1.84兆ドル(速報値)増加しました。年初来では1.48兆ドル(速報値)の増加ですから ? 「英国のEU離脱(ブレグジット)決定後の下落はいったい何だったのだろう?」と言いたくなります。各国中央銀行は具体的な行動は起こしませんでしたが、ブレグジットの潜在的な影響から自国経済を守るために何らかの、そして場合によっては「多く」の手を打つとの声明を矢継ぎ早に発表しました。具体的な影響がどのようなものになるだろうか、という点について中央銀行の間ではあまねく意見の一致が見られています(こうした事態は、イブがリンゴ(Apple)を買うためにアダムからお金を借りて以来で初めてのことかもしれません。このエピソードは検索する(Yahoo)ほどではありませんが) ? つまり、我々(ここでは中央銀行を指す)はブレグジットの長期的な影響がどうなるか分かってもいなければ、確固たる考えも持っていません。しかしながら、何とか切り抜けられるように彼らが手助けしてくれると信じています。こうした信任と業績発表が概ね良好だったこともあり(業績見通しが低調だった企業は限定的)、市場は上昇基調を辿り、リスクが1カ月間の休暇を取ったかのようでした。にもかかわらず、金相場も上昇し、1,358.8ドルで7月の取引を終えました(6月の終値は1,325.10ドル)。VIX恐怖指数は12を割り込み、7月の終値は11.97となりました(6月終値は15.63)。このVIX指数の急落ぶりに、一部では6月高値の26.72を基準に指数算出に際して分割修正が行われたと勘違いする向きもありました。ブレグジットの影響で低下した金利も7月に入ると上昇に転じましたが、月末には再び低下しました。金利は2015年末の水準と比較すると大幅に低い水準にとどまっています(2016年に金利は上昇する「予定」ではなかったでしょうか?)。米国10年国債利回りは6月末の1.48%から小幅低下して1.46%となり、2015年末の2.27%を大きく下回っています。明るい材料を挙げるとすれば、自分のお金を預けるために金利を支払う人々が増加する中、米国の金利がプラス圏にとどまっていることです(近いうちに預金するために銀行にテレビをプレゼントしなければならなくなるでしょう)。

 金利、原油相場、政治が新聞紙面を賑わした一方、株式市場では業績相場が展開されました。70%を超える企業が2016年第2四半期の1株当たり利益(EPS)の発表を終えましたが、S&P 500構成企業の成績表は「AA」や「AAA」というよりは「A」といったところです(そういうわけで、手放しで喜んではいけません)。現時点で、営業利益が事前に下方修正された予想を上回った企業は全体の70%に達し、その割合は3分の2というこれまでの実績を上回っています。一方で売上高が事前予想を上回った企業は全体の54%に過ぎませんが、加重ベースでみると売上高は回復に向かっています。胸を張れるような伸びというわけではありませんが、これまでよりも改善しました。加重ベースでみた場合、情報技術セクターが業績改善に寄与しました(Yahooは蚊帳の外に置かれていましたが)。いずれにせよ、企業業績に関して、現時点では3つのポイントを押さえておくべきでしょう。1つ目は、企業は引き続き株式数削減(Share Count Reduction)を活発化しており、全体の4分の1の企業が自社株買いを通じてEPSを少なくとも前年比4%増加させました。2つ目は、業績予想が基調として慎重ながらも上向きだったものの、良い点も悪い点も共に具体性に欠けているようにみられることです。そして3つ目として、ブレグジット、ドル相場、低金利、天候(小売業者は店舗営業を続けていますが)といったスケープゴート的な言い訳が見当らないことです。特筆すべきは、時価総額が大きな情報技術企業、具体的にはApple、Alphabet、Amazon(いわゆるトリプル「A」3銘柄)とFacebookの予想を上回る業績内容です。テクノロジー銘柄が再び時価総額トップ10を独占しつつあります。なお、対照的な動きを見せているのがYahooです。また、Exxon Mobilの業績が事前予想に届かず、60%の減益となった点にも注目しています。原油価格は6月末の48ドルから41ドルに下落しました。

 重要なことは、収益が改善しているということです。ファンダメンタルズの改善が買い材料とされてきただけに、収益の伸びが低迷していれば(2016年第1四半期の企業業績は不調でした)、市場は値崩れとなっていたでしょう。ブレグジット直後の相場急落は行き過ぎだったかもしれません(物陰にどんな災いが隠れているかに誰が気付くというのでしょう ? 今の段階では間違いなく中央銀行は分かっていません)。業績は絶妙なタイミングで回復し、市場は反応しました。下半期の業績見通しに概ね変わりはなく、現時点では市場の最高値更新を示唆しています。現在確実に懸念されている株価収益率(PER)の上昇を回避できるため、大幅な利益の伸びは歓迎すべきことです。

 S&Pグローバル総合指数(BMI)の構成銘柄の時価総額は、6月が4,730億ドルの減少となったのに対して、7月は1兆8,370億ドル増加しました。年初来では1兆4,850億ドルの増加となり、時価総額は44兆5,030億ドルとなりました。S&P 500指数の時価総額は、6月が680億ドルの減少であったのに対し、7月は6,430億ドル増加しました。年初来では9,360億ドルの増加となり、7月末時点での時価総額は18兆8,360億ドルとなりました。S&P 500指数がBMIの時価総額に占める割合は42.33%と、先月の42.64%から低下しました。この割合は、2015年末には41.61%、2010年末には33.87%でした。日経平均は7月に6.75%上昇しました(6月は9.63%下落)が、年初来では12.64%の下落となっています。7月の上海総合指数は2.84%上昇しましたが(6月は0.45%の上昇)、年初来では14.87%の下落となっています。

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