S&P 500月例レポート

 住宅関連では、一部の見通しは強気過ぎるようにも見えたものの、引き続き明るいニュースが大勢を占めました。米連邦住宅金融局(FHFA)が発表した4月の住宅価格指数は前月比0.2%の上昇となりました(市場予想は実績値を大きく上回る0.6%)。前年同月比では5.9%の上昇でした。6月の住宅市場指数は60となり、前月の58から上昇しました(市場予想は59)。5月の住宅着工件数は年率換算で116万4,000戸、着工許可件数は113万8,000戸となりました。中古住宅販売件数は年率換算553万戸、前月比1.8%増、前年同月比4.5%増となりました。5月の新築住宅販売件数は年率換算で55万1,000戸と事前予想の56万5,000戸を下回りました。また予想外の高水準となった4月の数字は当初発表の61万9,000戸から58万6,000戸に下方修正されました。5月の中古住宅販売仮契約指数は前月比3.7%の低下となりました。市場は1.0%の低下を予想していました。4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前月比1.1%上昇(市場予想は1.0%上昇)、また前年同月比で5.4%の上昇となりました(3月の同5.5%から低下)。

 雇用に関しては、6月14-15日のFOMCに先立つ大きなイベントとして5月の雇用統計が発表されましたが、結果は冴えませんでした。5月の就業者数は15万8,000人増の予想に対し、わずか3万8,000人の増加(2010年9月以降で最低)にとどまり、4月と3月の増加数もそれぞれ2万2,000人と3万8,000人下方修正されました(2カ月で5万9,000人引き下げられ、5月は3万8,000人しか増加していません)。失業率は4.7%に低下(4月は5.0%)しましたが、これは労働者が雇用市場から離れたことが理由で、労働参加率は前月の62.8%から62.6%に低下しました。平均時給は前月比0.2%増加し(予想通り)、前年同月比では2.5%増加しました。週平均労働時間は横ばいの34.5時間でした。今回の雇用統計の結果を受けて、FRBが6月または7月に利上げを行う可能性が低下し、金利や米ドルとともに相場も下落しました。その他の雇用関連では、ロンドン証券取引所(LDNXF)がドイツ取引所(DBOEY)との合併の一環として1,250人を削減すると報道されました。Daimlerは、大型トラックの需要低下に伴い、1,200人を追加で削減すると発表しました。人員削減が発表されたのは今年に入って2回目です。アパレル小売企業のRalph Lauren(RL、同5.0%安)もリストラ策を発表し、一部店舗の閉鎖と1,000人(全体の8%)の人員削減を発表しました。税務申告サービスのH&R Block(HRB、同7.7%高)は、具体策は明らかにしませんでしたがコスト削減の意向を示したことで、6月の月間上昇率は指数構成企業で最も高い11.9%を記録しました。ディスカウントストアチェーンのWal-Mart(WMT、同3.2%高)は、バックオフィス業務で1,500人の削減を発表しました。Dow Chemical(DOW、同3.2%安)は、Dow Corningとの合併に伴い2,500人(全体の4%)を削減すると発表しました。

 M&A関連では、販売システム・情報管理のSalesforce.com(CRM、同5.1%安)がDemandware(DWRE、同56.1%高)を現金28億ドルで買収すると発表しました。インターネットおよびシステム・セキュリティ・ソフトのSymantec(SYMC、同18.3%高)は、同業で未公開会社のBlue Coat(上場計画中)を現金46億ドルで買収し、Blue CoatのCEOがSymantecのCEOに就任することを明らかにしました。ソフトウエア企業のMicrosoft(MSFT、同3.5%安)は、LinkedIn(LNKD)を現金262億ドルで買収すると発表し、LinkedInの株価は6月に38.6%上昇しました。Microsoftは1,000億ドルを上回る現金および現金同等物を保有していますが、低金利を背景に買収費用は調達した資金で賄うと発表しました。これに関連して、Moody’s RatingsはMicrosoftによる買収費用の資金調達を理由に、同社の「Aaa」の格付けの見直しに入ることを明らかにしました。中国のメディア/エンターテインメント/インターネット企業Tencent(およびパートナー企業)は以前から噂されていた通り、フィンランドのゲームソフト会社Supercellの株式80%(日本のSoftBankおよびSupercellの従業員が保有)を80億ドルで買収することを明らかにしました。電気自動車メーカーのTesla Motors(TSLA、同4.9%安)は、SolarCity(SCTY、同6.9%高、買収発表直後に11.6%上昇)を買収すると発表しました。Elon Musk氏が両社の最大株主ですが、今回の買収は投資家に好感されませんでした。医療機器メーカーのMedtronic(MDT、同7.8%高)は心臓用医療機器メーカーのHeartware International(HTWR、同96.4%高)を現金11億ドルで買収すると発表しました。買収価格は前日の終値に対して93%上乗せした金額です。Apollo Global Management(APO、同1.2%高)は世界的なリゾート企業であるDiamond Resorts International(DRII、同30.7%高)を22億ドルで買収すると発表しました。加工食品や飲料を手掛けるMondelez International(MDLZ、同2.3%高)は菓子メーカーのHershey(HSY、同22.2%高)に対して210億ドルでの買収を提案しました。M&A関連のマイナス材料としては、米規制当局はAnthem(ANTM、同0.6%安)とCigna(CI、同横ばい)の480億ドル規模の統合に懸念を示しました。Energy Transfer Equity(ETE、同13.7%高)は買収に伴う税負担を理由に、Williams Companies(WMB、同2.4%安)の330億ドルでの買収を断念すると発表しました。

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