役員報酬のあり方~資生堂のケース

・6月に、資生堂について話を聴く機会があった。まずは2015年12月期のアニュアルレポートをじっくり読んでみた。統合報告(Integrated Reporting)としてよくできている。

・筆者の評価では、①マネジメント、②イノベーション、③ソーシャル、④リスクマネジメントという4つの軸に照らして、12点満点中9点となるので良好である。ただ、「VISION 2020」はまだ1年余りを経過したところであり、ビジネスモデルにおける価値創造プロセスの共有という点で、これからである。

・資生堂は、「美しい生活文化の創造」を企業ミッションとする、中長期的な企業価値および株主価値の最大化に努めると同時に、社会の公器として、ステークホルダーへの価値配分の最適化を目指す。

・2015年3月期の売上高7777億円、営業利益276億円、ROE 9.4%に対して、12月期に決算期を変更、3年後の2017年12月期で売上高9000億円、営業利益500~600億円、ROE 9~10%を目指す。そして「VISION 2020」の後半の3年では、2020年12月期に売上高1兆円超、営業利益1000億円超、ROE12%以上を目標とする。

・魚谷雅彦社長(CEO)は2014年に資生堂のトップマネジメントに就任、現在の中長期ビジョンを立案し実行中である。日本コカ・コーラのトップから当社に招聘されたプロの経営者である。

・資生堂は監査役設置会社であるが、取締役会における社外取締役を増やし、委員会体制も強化した。取締役7名のうち、4名が社外取締役で過半数を超えている。監査役会は5名でうち社外が3名である。役員指名諮問委員会(委員長は社外取締役)、役員報酬諮問委員会(同)、コンプライアンス委員会(委員長は副社長)のうち、指名と報酬の委員会は社外取締役が各4名、社内が各2名という内訳である。

・監査役設置会社としての監査機能を重視しつつ、取締役会はモニタリングボード型が適切であると判断して、二重のチェック機能をもたせるようにした。社外役員には、①必要十分な判断材料が出されているか、②議論は尽くされているか、③社会的、客観的にみて、合理性のある決定か、をチェックしてもらう。

・役員報酬に関する資生堂のユニークさは、「VISION 2020」の6年間のうち、前半3カ年の計画は、経営基盤を強化することに重心をおくので、それを反映した報酬体系を設定しているところにある。

・あるべき姿として、中長期のビジョンとそれを達成するための戦略的課題を定めた上で、それに合ったトップマネジメントや社外取締役を選任し、執行サイドの報酬インセンティブもそれに合致した適切な内容を取り入れていくという姿勢を取っている。

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