分岐点、Brexitであく抜けか、中国危機封じ込めがカギを握る

Brexitのデメリットは英国よりEU側に大きい

 第二にBrexitのデメリットは英国よりEU側により大きいと考えられるのではないか。英国の経済構造の特徴は、

1. 世界で最もサービス業化・脱工業化が進んだ経済(商品輸出世界シェアは3%弱、しかしサービス輸出世界シェアは7%で米国に次ぎ第二位、製造業雇用比率は8%と先進国最低、銀行資産規模対GDP比は800%と世界断トツ)、

2. 世界で最も開放が進んだ経済(対外直接投資対GDP比率は70%と世界最高、同比率はドイツ42%、米国28%、日本16%、また上場企業株式の外人保有も54%と世界最高水準)、

3. サービス輸出と巨額の対外直接投資からの所得で巨額の貿易赤字をカバーすると言う国際収支構造、そして対EUに対しては、巨額の貿易赤字を持ち、それを対英連邦(英語圏諸国)に対するサービス・所得収入で賄っている、と言う際立った特徴がある。
 
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 対EUとの経済関係を要約すれば、英国はEUにとって米国に次ぐ輸出相手国であり、貿易面で巨額の赤字を持つ一方、日本や米国の企業、金融機関などの欧州拠点であり対EU投資で所得を稼ぐと言う相互依存関係にある、と言える。したがってBrexitとそれに伴う英ポンド安は、対EUとの貿易収支を大幅に改善する一方、EU圏をにらんだ対英投資を冷え込ませ、また英国の国際金融拠点としての競争力をそぐと言うデメリットもある。このメリット、デメリットの比較において、むしろメリットの方が優る可能性が大きいのではないか。英国の国際金融拠点、国際サービス産業拠点としての魅力度はEUに加盟しているからと言うよりは、それ以前から備わっている特質に由来すると考えられる。英国で金融業の免許を持っていればEU全域で営めると言うシングル・パスポート制度が失われれば一定の影響は避けられないが、相応の激変緩和措置もあり得る。情報の集積、ネットワーク形成等を考えるとフランクフルトなどが、ロンドンに代替する国際金融拠点化するとは考えにくい。
 
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