分岐点、Brexitであく抜けか、中国危機封じ込めがカギを握る

急反発か、三段下げのクライマックスか

 英国国民投票のEU離脱派の勝利は予想外の結果であった。Brexitが決まった今この先更なる危機が待っているのか、それともいったんあく抜けか。先週末、英国国民投票結果直後の日経平均株価は円急伸とともに急落し、2月11日の最安値と全く同じ14952円で引けた。今後は二つの展開の可能性が考えられる。①Wボトム形成後の急反発、または②昨年8月からの下落の3段下げのクライマックスに。①と見れば絶好の投資機会、②と見れば最大限の警戒場面。そのカギは英国ではなく中国が握っていると考える。前回レポートで明らかなように、米国経済が順調であることはほぼ間違いないので、世界的金融不安が進行するとすれば、中国が原因とならざるを得ない、からである。
 
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驚きの英国株価堅調

 Brexitの結果判明後の市場の反応は興味深い。国民投票結果が判明した6月24日の前日比騰落率は、英国(FTSE100)-3.1%と主要国で最も小さくかつ日中安値からのリバウンドも6%と大きかった。米国(ダウ工業株)の下落率はそれに次ぐ小ささで-3.4%、次いでドイツ(DAX)は-6.8%、フランス(CAC40)は-8.0%。注目されるのはスペイン(IBEX35)-12.4%、イタリア(FTSEMIB)-12.5%、ギリシャ(ASE)-13.4%と南欧諸国の下落が最も大きく、かつほぼ安値引けだったということである。市場はBrexitの最も大きなダメージはEU側にあり、英国に対する影響は比較的軽微と判断したのである(ちなみに日本日経平均は-7.9%、香港ハンセン-2.9%、上海総合-1.3%)。言うまでもなく英ポンドが対ドルで8%、対ユーロで6%の下落となったため、ドルベ―ス・ユーロベースでの下落幅はそれより大きいが、それにしてもFTSE100の年初来の騰落は-2%と堅調であることは驚きである。

Brexitの経済影響は未知数、EU求心力喪失は南欧のリスクプレミアム上昇に帰結

 この市場の判断は、十分に根拠があると思われる。第一にBrexitが実現するのは2年先でまた離脱後のスキームも全く固まっておらず、当面の英国経済・EU経済実態に対する影響はほとんど現われないと言える。しかし金融市場でのパーセプションの変化は直ちに現われる。市場はBrexitがユーロの求心力を大きく損ない、南欧諸国がユーロに残留し続けることに対する懸念を織り込み始めた可能性がある。イタリアやスペインでは反EU派勢力が支持を強めている(イタリアで「五つ星運動」がローマ市長に勝利、スペインでは「ポデモス」が昨年末第3党に躍進)が、南欧諸国のEU離脱となれば南欧諸国の金利が上昇し経済困難は強まる。

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