経営者交代をどう評価するか~セブン&アイの教訓

・投資家として会社を評価する時、最も重視すべき軸の1つは経営者(トップマネジメント)である。創業者が健在の時は、トップの言動と業績をみていれば、その会社の状態はかなり分かるような気がする。

・しかし、会社が大きくなってくると、そういうわけにもいかない。トップは最も大事だが、一人で全てを決めることは不可能であり、必ず権限を委譲していく。さらに、創業者といえども年をとってくる。社長を交代する必要があるが、これを決めるのが難しい。

・ある上場会社では、創業者が70歳を超えてきた。創業の頃から一緒にやってきた仲間は同世代であり、次の世代の後継者には適さない。ところが、40代ではまだ力量不足、50代には適任がいない。どうして後継者が育っていないのか。その社長は自分の眼鏡に適う部下がいなかったという。私は、ちゃんと育ててこなかったのでしょう、とやんわり聞いた。いや、そうしようとしたが、残念ながら出て行ってしまったと嘆いていた。

・別の上場会社では、創業者の息子がいた。いずれ後継ぎにしようと20代後半に自分の会社に入れた。そして70代の時に社長を譲って自分は会長になったが、経営環境がガラリと変わって、今までの延長では上手くいかなくなった。経営方針の転換とリストラが必要になった。そこで、会長から社長に復帰し、息子を降格して手を打った。その後さすがに年をとってきたので、50代の息子に再び社長を託した。

・創業者はいつまでも創業者である。社内のタイトルがいかに変わっても、創業者の精神は一緒に過ごした経営陣に息づいており、またオーナーであるから、それなりの株式を所有している。資本の論理もあって、後継者を自分で選ぶことができる。

・問題は、創業者が個性溢れるイノベーターであればあるほど、会社の中でのリーダーシップはフルに発揮される。別の言葉でいえば、ワンマンになり、いつのまにか裸の王様になりかねない。ピカピカに輝いていた頃の先を見る力や皆を鼓舞するオーラも、自分では気がつかないが衰えてくる。それを周りに知られてきた時が危ない。

・創業者の一族が後を継ぐ場合は、後継者争いが一族の中で起きるかもしれない。しかし、一族以外の人に社長の出番はない。一族の場合は社内が比較的まとまりやすい。ところが、後継の息子、娘の能力が不十分であった場合、優秀な家老や番頭が付いていないと会社はもたない。一方で、2代目は苦労しながら、経営環境の変化に手を打ち、創業者の事業や戦略を否定して、新しい路線を作ろうとする。こんな息子で大丈夫かと思った人が、20年を経て立派な2代目経営者になっている例はいくつもある。

・逆に能力不足のまま、ワンマン先行でファミリーが継いだが故に、経営の危機に陥った会社はこれまた数多い。日本を代表するある企業では、一時代前の話であるが、一族からその会社に入っても、本人が優秀なら親会社に残して育てていくが、そうでない時は親会社から外して、しかも早く偉くする。社会的地位はあるが、マネジメントの権限は与えないようにして会社を守り、本人には対外的な社会活動で大いに力を発揮してもらうというやり方をとっていた。

・多くの企業に見られるが、創業者が亡くなって30年程経つと、創業者精神の継承が難しくなってくる。創業者と一緒に働いた人々がほとんど引退して、創業者に直接薫陶を受けていない人が社長になる。まして社員にとって創業者は遠い存在となる。こうなると会社は緩んでくる。‘会社の寿命30年’というのは、ここに一因があると、ユニチャームの高原社長(2代目)はいう。

・創業家に優秀な人がいない場合は、ファミリーとは関係ない生え抜きを抜擢して社長に据える。この社長が優秀できちんと会社をリードしていく。そして、一族の若手にバトンタッチしていく。この代表例がトヨタ自動車である。トヨタイズムは脈々と継承されている。

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