「資産運用を見直す~さらなる仕組み革新へ」

・NISA(少額投資非課税制度)に続き、ジュニアNISAも始まっている。金融や経済に関する教育は、運転免許証のように普通の国民全員が身につけるべきものといえる。若者から高齢者まで、その知識の習得、使いこなせるリテラシーを国民的運動として、さらに盛り上げるべきであろう。

・金融機関はどうやって預金者や投資家のニーズを満たしていくのか。多くの国民は投資に興味がないというアンケート結果も出ている。これは身近に成功体験がなく、金融商品に不安、不信がつきまとっているからと思われる。銀行にお金を預けてもリターンはない。いずれ預け料に必要になるかもしれない。安全な貸金庫の使用料ともなりかねない。

・投資信託は、金融機関が手数料稼ぎのために、入れ替え営業を行っているのではないか。金融庁はかなりの懸念と疑念をもっている。顧客自身の判断によるものといっても、何らかの勧誘が機能している。そのこと自体何ら悪いことではないが、中長期の保有に耐えられる金融商品に仕上がって、サステナビリティを有しているかどうかが問われる。

・金融機関の短期の利益追求と顧客の中長期のリターン追求に齟齬はないか、本当に顧客のためのフィデューシャリーデューティ(忠実義務)を果たしているか。フィデューシャリーをしっかり確保すると、金融業の儲けはなくなってしまうのか。そんなことはない。中長期にリターンを生む金融商品を提供しつづけるには、その金融機関が中長期にサステナブルであるという証しこそが信頼に結びつく。

・もし、金融機関が自己の利益を優先しているとしたら、その金融機関は顧客に見捨てられてしまう。業界がすべてそうなら、日本の金融業は発展どころか、衰退に向かうであろう。新しいビジネスモデル作りが求められる。世界に範はあるので、ストレッチしてぜひ作り上げてほしい。

・確定拠出型年金(DC)やNISAを、さらに拡大させる仕組みが今後作られていこう。DCでは、積極的運用を選び納得する人々に、何らかのインセンティブがあってよい。DC版株主優待制度である。NISAは枠が拡大して、ジュニアNISAもスタートしたが、さらに長期的に活用できるように制度設計がなされていくことになろう。

・資産運用(アセットマネジメント)会社が、銀行系列や証券会社系列である故に、系列親会社の利益を優先して、真に顧客のことを考えていないのではないか、という懸念に対して、どう応えるか。顧客へのフィデューシャリーを担保するような仕組みと、透明性の確保、みえる化が必要である。現状でも親会社のいいなりになっているわけではない。しかし、独立性が明確に確保されるように、新たなガバナンスの確立が求められよう。

・日本の運用会社はグローバルな競争力を確保できるか。顧客としては、グローバルな運用会社の商品を購入すればよい。競争の確保が日本人で難しければ、グローバルな人材の活用と、それができる組織作りに一層力を入れる必要があろう。

・金融教育の基本は株式投資にある。株式投資を身近に実感して、短期に儲かった損したではなく、企業価値と業績、業績と株価の関係を肌で分っていくことが必須である。そうすれば、投資信託の理解も進む。内外のインデックス型やスマートベータ型の商品についても、上がった/下がった、損した/得した、という目先に囚われることなく、中長期のスタンスを身につけることができよう。まずは会社を見る目を養うことを全力で応援したい。

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