「資産運用を見直す~さらなる仕組み革新へ」

・4月に日本証券アナリスト協会の国際セミナーが、CFA協会との共催で開かれた。テーマは「資産運用における新しいパラダイム」であった。その中で、筆者が重要と受け止めた論点について考えてみる。

・日本は資産大国である。個人金額資産は1700兆円ほどあるが、その半分は現預金でほとんどリターンがない。なぜリターンがないものにお金を預けておくのか。いざという時、一番確実なのは現金である。銀行は信用できる。そこで一定のお金は預貯金に置いておこうとなる。

・問題は1000万円以上の預貯金があるのに、日本株や外国債券などリスクのある金融商品に全く投資していないとすると、それには別の理由があろう。1)1円でも損をするのは嫌だ。2)リスクをとるだけの知識と経験がないので、不得意なことはやめておく。3)ある程度リスクをとってもよいが、どういうポートフォリオにすればよいのか、自分では決められない。4)信頼して相談できる相手もいない。このように、さまざまなケースがあろう。

・筆者のケースでは、子供の教育と不測の事態に備えて、一定の現預金は安定的に確保しておきたいと考える。次に、自らの仕事に必要なオフィスのために不動産を購入した。これは仕事が順調であればリターンを生む。将来は売却してもよい。それ以外は金融投資に向けている。

・常に全額リスク商品に投資をしているわけではなく、待機資金とのバランスを図っている。長期投資なので、日本株のポートフォリオの入れ替えも今のところ少ない。外国株については、国別やテーマ別の株式投信を活用している。海外の個別株について、日本株と同じように十分調べることは難しいからである。

・日本の株式市場は、外国人投資家主体で動いている。日本人の投資家は、日本の株式の魅力を外国人投資家のように見抜けないのだろうか。あるいは、外国人投資家は日本を過大評価しているのだろうか。

・GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のような年金資金、郵貯、簡保といった政府系の資金は、ようやく日本国債中心の運用から、もっとリターンを求めて、グローバルな分散投資を積極化する。そのための運用体制を人材、システム、評価を含めて一段と見直していく。リスクをとって投資リターンを稼ぐ仕組み、グローバル運用に耐えうる仕組み作りが問われている。

・日本の株がもっと上がるには、マイナス金利政策もさることながら、上場企業の稼ぐ力を一段と高める必要がある。そのために、企業価値向上が求められ、それを強化する仕組みとして、企業のコーポレートガバナンスコード(CGC)や機関投資家のスチュワードシップコード(SSC)が導入された。

・企業は中長期の価値向上に力を入れ、投資家も企業を中長期的に評価して投資を行う。この好循環が続けば企業全体の稼ぐ力が高まり、株価も上昇する。ROEが12%に向上してくれば、日経平均で3万円が見えてくることになろう。

・GPIFがJPX日経インデックス400の構成企業にアンケートしたところによると、企業からみて機関投資家の6割がSSCに則った行動によって、ポジティブな方向に向かっているという。一方で、東芝のケースは、不正に対してガバナンスが十分でないことを示した。セブン&アイホールディングスのケースは、強烈なリーダーの後継者はどのように選任するのか、ワンマンにならずに戦略立案を遂行するには取締役会はどのように機能すべきか、について課題を残した。

・ゴルフに興味のない人に無理にゴルフをやらせる必要はない。趣味は多様でよい。しかし、自らの資産形成は趣味ではない。仕事と同じように真剣に向き合う必要がある。年金の仕組みを改革し強化するのは国の仕事であるが、年金で足らない部分については働く人々が自助努力する必要があり、自ら貯蓄した資金にもっと働いてもらう必要がある。

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