S&P 500®月例レポート

投資家が押さえておくべきポイント
・S&P500構成企業の73%の決算で利益が事前予想を上回る中(事前予想は最近10%以上引き下げられていました)、米国株式市場は1999年のように浮かれ(1929年とは違いました)、企業利益が第1四半期で底打ちし、その後第2四半期には改善に転じて、(これは浮かれた投資家が飲んだお酒の酔いが影響しているのかもしれませんが)第3、第4四半期と過去最高を更新するとの見方を「受け入れました」。

・S&P500は3月の6.60%の大幅上昇の後、4月は企業の決算結果よりも今後の業績見通しに市場の注目が集まる中で0.27%上昇し(配当を含めたトータルリターンは0.39%)、年初来では1.05%(同1.74%)と(好調とは言えないものの)まずまずのリターンとなっています。

・各国中央銀行が別々の道を進む状況に変わりはありませんが、4月はこの点は行動よりも発言の面でみられました。日本では政策変更が見送られたことで円高の進行と日経平均の下落につながった一方(中国の輸出が11.5%減少したことは見たくないでしょう)、米国では政策の据え置きは上半期いっぱい継続される模様ですが、下半期に2回の利上げを想定する場合、大統領選の日程により状況は複雑になります(11月2日の会合で利上げが決定された場合、11月8日に大統領選を控えて候補者がどのようにコメントするかを想像してみて下さい)。

・米国の2016年第1四半期のGDP成長率は前期比年率0.5%と同0.7%の低い予想値を下回り(企業業績のように予想を上回ることはなかったようです)、2015年第4四半期の同1.4%から減速しました(改定値は5月27日、確報値は6月29日に発表)。中国のGDP成長率も低下しましたが、低下は前四半期の前年同期比6.8%から同6.7%にとどまりました。ユーロ圏の第1四半期のGDP成長率は前期比0.6%、前年同期比1.6%となりました。

・M&Aはさらに続き、大規模な買収が合意された一方(Abbott LabsとSt Jude、ComcastとDreamWorks、中国のApex TechnologyとLexmark)、一部の案件は米国当局からの反対に合い(Baker HughesとHallibriton)、新規制も導入されました(反インバージョン規制、PfizerとAllerganに影響)。

・幾つかの銀行が生前遺言を当局から却下され、「大き過ぎて潰せない」銀行の問題は「大き過ぎて死ねない」銀行の問題となっています(今回生前遺言を却下された銀行は10月までに修正の猶予を与えられているため心配は無用です。それに死ぬことができないとしたら、何のために遺言が必要になるのでしょうか)。

・企業によるレイオフの発表も続き、Alcoa、H&R Block、Caterpillar CSX、Halliburton、Intel、JP Morgan、Morgan Stanley、Nordstromが人員削減の流れに加わりました。

・Apple(AAPL)は4月に14.0%下落し、846億ドルの時価総額を失いました。カール・アイカーン氏もApple株を売却したことを明らかにしています。同社株は4月にS&P500のリターンを0.50%ポイント(4月のリターンはプラス0.27%、Appleを除くと0.77%)、また、ITセクター指数のリターンを1.64%ポイント(同マイナス5.47%、同マイナス3.83%)押し下げました。

・企業による配当も継続され、Appleは利益、売上高、ガイダンスはいずれも失望的な内容となったものの増配を発表し、支払配当額で世界トップとなりました(126億ドル)。Exxon (XOM)も(負けてはしまいましたが)これに負けじと予想を上回る決算を発表するとともに、63%の減益にもかかわらず増配を行い、支払配当額で世界第2位となっています(124億ドル)。

・予想が引き下げられたものとしては、IMFが2016年の世界の貿易量予想を従来の3.9%増から2.8%増に引き下げるとともに、同年の世界経済の成長率予想を従来の3.4%から3.2%に下方修正しました。

・他にも注目材料として、中国のネット販売Alibabaが年間総売上高でWal-Martを抜き、世界最大の小売業者になったと発表しました。UnitedHealth Groupは2017年にほとんどの州でオバマケア関連事業から撤退することを表明しました。石炭生産大手Peabody Energy(BTU)は連邦破産法第11条に基づく会社更生手続きの適用を申請しました。また、レポートによると、2015年の米国の処方箋支出総額は前年比12.2%増の4,250億ドルとなりました。S&Pレーティングス・サービシズはExxonの信用格付けをAAAからAA+(米国政府と同水準)に引き下げました。サウジアラビアは5%の新規株式公開(IPO)を予定している国営企業Saudi Arabian Aramcoの企業価値について、2兆ドルを超えるとの見通しを示しました。

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