セブン&アイ・ホールディングスの事例からコーポレートガバナンスを考える

機関投資家にも求められる株主責任

 また、金利低下を受けて、公的年金やゆうちょ銀行などの、従来国債を中心に運用してきた大手機関が株式投資の比率を高める方向を示していることも、今後のコーポレートガバナンスを考える上で重要な事象になることが予想されます。公的年金のような巨大機関投資家は投資をした株式を簡単には売却できません。よって、企業の株主としての責任が求められるようになります。

 アメリカではすでにこのような動きが数十年前から起きており、それを捉えてピーター・ドラッカーは以下のように著書に記しています。「年金基金は保有する株式を売却できない。といって、オーナー経営者にもなれない。にもかかわらず、企業の所有者である。したがって、年金基金はそのような存在として、権力以上の責任をもたされている。それは、アメリカのもっとも重要な存在としての大企業の仕事ぶりと成果を確実なものにするという責任である。」

 日本でも公的年金の投資態度の変化をきっかけとして、他の機関投資家にも同様に株主としての責任が求められるようになると考えられます。今までも機関投資家はそれぞれの立場で社会的な責任を果たしてきましたが、今後はより一層、幅広い視点で責任を果たしていくことで、社会に価値を生む存在として台頭することが望まれます。日本社会においても投資についての理解が進み、資金の循環が経済に価値を生んでいるということに対しての理解が深まっていくことが期待されます。
 

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