2016年5月2日時点での主要市場見通し

シナリオの背景

・世界経済、世界市場の大きな流れについては、前月号と見解は変わらない。たとえば米国の週当たり雇用者所得は、前年比でみて、安定した動きを続けている(図表1)。その他諸国についても、1~2月に市場が懸念したころと比べて、さらなる悪化をみせたような事態は見当たらない(中国の景気減速や、ブラジルの政治・経済の体たらくは、よくなってはいないが相変わらずだ)。

・こうした経済実態を踏まえ、1月には新興諸国に対する過度の懸念(中国経済の崩壊や、原油価格下落による産油国経済・財政の極度の悪化などの懸念)から、そして2月には先進諸国に対する過度の懸念(米国経済の失速、欧州主要銀行の経営破たんなどの懸念)から、世界の株価や外貨相場(対円)は、下振れをみせた。しかしそうした行き過ぎた懸念は峠を越し、通貨変動込みの株価の推移は、2月以降持ち直し基調を持続している(図表2、図表3)。すなわち、世界市場の大きな流れは、リスクオフではなく、むしろリスクオンだ。

(図表1)
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(図表2)
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(図表3)
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・足元は、米ドル円相場の下振れにより、他通貨も対円で下押しし、これが(最安値は割れていないとはいえ)日本株の低迷を引き起こしている。足元の材料は、日銀の金融政策決定会合における「ゼロ回答」であるが、だから円安にならない、としても、円高になる要因でもない。米国の金融政策については、連銀が慎重に利上げを行なう旨を表明しているが、これも利上げがゆっくりである、ということであって、利上げしないとか、ましてや利下げするという事態ではなく、米ドルを押し上げる要因としてのスピードが遅くなっている、とは言えても、米ドルを押し下げるような要因ではない。

・米国が日本に対して介入をけん制する態度を強めている、と市場では解釈されているが、それが正しいとして、円高になった場合に介入ができないとしても、米国経済の強さや、世界的なリスクオンの流れで、自然に米ドル高・円安になることを妨げることにはならない。

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