米国発近隣窮乏化政策の危険

日本株一人負けの正体が見えた
 2015年初来の、特に3月以降の世界株高の中での日本株式の一人負けは、企業の本源的価値という観点からは不当なものでありミスプライシングである。そしてその原因は一に円高株安の悪循環が際限なく進行していることである。言うまでもなく世界大不況が始まろうとしているなら、日本株式の暴落はミスプライシングとは言えないが、その場合には日本株の独歩安ではなく、世界的株式大暴落となるはずである。

 それではなぜことさら、経済のファンダメンタルズや中央銀行の姿勢とは逆行する形で円の独歩高か進行したのか。その原因が米国の一方的ルール変更にあったことが露呈した。米財務省は4月29日半年ごとの為替報告書を発表したが、そこで新たな為替監視国リストが設けられた。そして恣意的な3条件、①対米貿易赤字200億ドル以上、②経常黒字がGDP比3%以上、③為替介入がGDP比2%超、が設定されこのすべてに抵触した場合「為替操作国」と認定し制裁を発動するというものである。

 この措置により監視リストには中国、ドイツ、日本、韓国、台湾の5か国が指定された。この措置の問題は中国とドイツに対しては全く無効ということである。実質的には日本のみに対して顕著な円高圧力をもたらし、通商に大きな影響を及ぼすことになるかもしれないが、これは不可解であり、不当でもある。最も不均衡が大きい中国は不公正な取引慣行を駆使しつつ2015年3657億ドル、日本の686億ドルの5倍の対米黒字を計上し、米国人の雇用を奪っていると非難されている。しかし中国人民元は対外資金流出、通貨暴落の危機に直面しており、中国はむしろ人為的に元価値を維持するためにドル売り介入をしている、自国通貨を市場実勢より押し上げようとしている望ましい国であるとすら解釈される。また経常黒字2850億ドル、経常黒字の対GDP比は8.5%と世界最大で日本の3.3%の二倍以上あるドイツ(対米貿易黒字も742億ドルと日本以上に大きい)は自国通貨を持たず、そもそも制裁の対象にならない。ドイツはその競争力に比し割安のユーロを使い常にフリーランチに近い有利な条件を維持している。
 
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