三越伊勢丹ホールディングスのトランスフォーメーション~百貨店市場縮小の中で

・個人的には、日本橋の三越をよく利用しているが、新宿三丁目の伊勢丹にはあまりなじみがなかった。3月の個人投資家説明会で、大西洋社長の話を聴いて、早速二人で出かけてみた。若い、ファッショナブルでセンスを感じる。いつもここに来ようと会話が弾んだ。

・百貨店業界の市場は縮小している。業界の年間売上高は1991年の9.7兆円をピークに、2015年は6.2兆円まで減少した。これは1980年頃の規模である。全国の店舗数も99年の311店から238店にまで、継続的に減っている。

・2000年以降、百貨店の再編が続き、そごう・西武百貨店はセブン&アイの傘下へ、松坂屋・大丸はJ・フロントリテイリングへ、阪神・阪急百貨店はエイチ・ツー・オーリテイリングへ、そして三越伊勢丹ホールディングスが誕生した。

・全国の百貨店の店舗(238店)は、その7~8割が赤字とみられる。普通の百貨店では儲からなくなっている。それでも地方のオーナーは不動産事業で百貨店の赤字をカバーしている。その地域の顔でもあるので、赤字だからといって簡単に止められない。百貨店が亡くなると、地域がもっと衰退してしまうかもしれない。しかし、赤字事業をずっと続けるわけにもいかない。いずれ閉店に追い込まれるかもしれない。その時期が次々とやってこよう。

・三越は340年の伝統を有する。伊勢丹も130年を迎えた。上得意客の「お帳場」に代表されるように、お客と向かい合う三越と、他社に真似できないファッション提案力を磨いてきた伊勢丹が、2008年に経営統合した。その後、業績は順調に向上し、2016年3月期は売上高1.31兆円、営業利益370億円を見込んでいる。

・現在進行中の3カ年計画では、2019年3月期に営業利益500億円、ROEで5.5~6.0%を目指している。引き続き収益力の向上が課題で、自社所有のビル(不動産)に対して、百貨店の利益が十分でなく、ここをどう高めていくかが問われている。

・2014年度の売上構成をみると、国内百貨店83%、海外百貨店7%、小売専門店4%、不動産3%、金融3%と、百貨店のウエイトが圧倒的に高い。そのうち、伊勢丹新宿本店は年間売上高2584億円、年間入店客数2500万人(入店客数当たり売上高1.0万円/人)、1店当たりの売上高は世界で№1である。

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