Don’t fight BOJ 日銀の非伝統的政策進化は必至 ~理論的帰結は大幅な株高~

(2) 日銀批判の根底的誤りは株高により、急激に是正されるだろう

マイナス金利でイールドカーブはスティーブ化した
 世界株価回復、リスクテイク回復の中での日本株が一人負けしてきたが、その大きな根拠に日銀無能論がある。しかし金融村による日銀批判は我田引水的であり、代替策がない。ドラギECB総裁がドイツのマイナス金利批判に対して「代替策のない全否定は受け入れられない」と述べたがそれは日銀批判にも当てはまる。中央銀行の狙いは信用創造を強めること、信用創造できない、不能化した銀行ビジネスを如何に蘇生させるか、銀行が不能なら非銀行部門での信用創造をどう果たすか、がマイナス金利の狙いである。

期待できる株式・リスク資産への資金押し出し効果
 確かに批判論者が言うようにマイナス金利は銀行の収益環境を悪化させた。当座預金に対するマイナス金利に加えて、イールドカーブがフラット化し、かつ10年国債までがマイナス金利になったことで銀行利ザヤが圧縮した。銀行体力の疲弊は、貸し出し抑制に結び付いてしまうという批判は正しい。しかしそうした犠牲があっても、マイナス金利が必要だという事情があった。それなしには信用創造や資金の適切な配分が不可能であるという経済的背景である。マイナス金利によってイールドカーブがフラット化し、収益チャンスがますます奪われているという議論は金融村の議論である。償還期限がある30年位まではイールドカーブはフラット化して、この分野では銀行のビジネス機会は困難化している。しかし図表4により償還期限が無限大の証券(株式)まで入れたイールドカーブを考えると、4月の時点ではマイナス金利を導入した時よりもイールドカーブはスティープになっている。この分野のビジネスチャンスは拡大しているのである。債券から株式への資金の誘導がマイナス金利の狙いであるとすれば、マイナス金利に対する金融村からの批判は一面的であり、より大きな株高、リスク資産価格上昇というプラス効果があると考えられる。
 
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非伝統的金融政策は進化、弥縫策ではない
 リーマンショック以降の金融政策は新機軸の連続、全ては大多数の批判や反対に抗して打ち出され、十分な成果を上げている。4/25日付日経ビジネス誌上でリーマンショック危機を予見したノリエル・ルビーニ氏は「QE、フォワードガイダンス、ゼロ金利と言った少し前まで非常識、と思われていた非伝統的金融政策は、深刻な景気後退やデフレ回避と言う目的に対して有効に機能し今や当たり前の政策となった。低成長とデフレが恒常化している先進国ではこれからは更に進化した非伝統的金融政策の導入を余儀なくされるだろう。銀行保有の現金への課税、ヘリコプターマネー(現金を直接家計に供給する金融政策)、中央銀行の株式などリスク資産の直接購入などが考えられる。切迫した時代(desperate age)においては命懸けの政策(desperate effort)が必要なのだ。」と主張している。

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