うつ病を血液検査で調べる~大学発ベンチャーのユニークなコラボIR

・第2部は、HMTの機関投資家向け会社説明会であった。HMTは2年前に上場した。上場後に株は急騰し、一時5000円台をつけたことがあったが、その後は低迷し、現在は900円前後である。

・HMTはメタボロームに特化し、その解析を行うと同時に、バイオマーカー(診断)の事業を大きく伸ばそうとしている。うつ病にはバイオマーカーがなかった。その診断を定量的行うという点で、うつ病にフォーカスしている。うつ病の患者は国内で100万人、世界で3億人ほどいる。治療薬はあるが、診断を行うには問診しかない。そこでメタボローム解析を通して血液検査を行い、PEAが低いとうつ病である、という独自の知見を応用することにした。

・PEA(リン酸エタノールアミン)は、気分や食欲に関する脳内代謝物質で、これが低下するとうつ病になり、これを上げると完治する。治療から予防へ広げることもできるので、極めて有望である。この特許は日、米、中で申請・取得、シスメックスと共同開発を行っており、2016年度中にR&D用の試薬を出す予定である。

・夢が現実になりつつある。株式市場では、1)発明・発見がすごいとそれだけで理想買いが入る。いわゆる材料株である。次に、2)それが現実のものとなり事業化できるという時点で、将来への期待を膨らます。第3フェーズは、3)それが事業として実際に収益貢献してくる局面である。その収益貢献が想定を上回ってくると、株価は新値をつけてくることにもなる。HMTは、現在第3フェーズの入り口にいるとみることができよう。

・大学発ベンチャーが、ローカルから世界に向けて挑戦している。HMTの菅野社長は、メタボロームで鶴岡に奇跡を起こしたい、と夢を描いている。第1ステップの上場は果たした。第2ステップは、冨田教授がノーベル賞をとることである。そして、第3ステップは、鶴岡市がこの分野の世界的クラスター拠点をなって、ボストンへの直行便が飛ぶようになることであるという。ボストンは世界のR&D拠点であるから、そこと直接結びつくような存在になりたいという意味である。HMTの今後の展開に注目したい。
 

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