株式市場、年度初めの日本株独歩安をどうみるか

(4) 米国景気堅調、ドル安は続かない

新関:このドル下落円高はどこまで続くのでしょうか。

武者:日本株売り円高が続くことによって日本の経済はどんどん崩されてしまうかどうかというと、言うまでもなく中国のように本質的に危機に至らなければいけない要因は日本にはないわけです。従って、この日本株売り円高というトレンドは自ら限界はあると思います。一番大きな限界はやはりドルがしっかりしている、アメリカ経済がしっかりしているということです。ドルがしっかりしているということは際限のない円高シナリオはファンダメンタルズの面からみて根拠がないということです。日本の景気に比べるとアメリカの景気は遥に力強いのです。そのアメリカの景気はここしばらくむしろ力強さを増しています。失業率は5.0%と完全雇用に近い水準に低下していますし、毎月発表される新規雇用増加数は安定的に月20万人を超えています。賃金上昇率も年率で2%超に高まって、着実に雇用情勢が改善しているということは明らかです。それからアメリカ経済に於いて懸念であった製造業の景況感が急激に回復しつつあるということもあります。ドル高と中国の景気悪化もあり、製造業の景況感だけがアメリカの中で悪化していました。少し前まではISM製造業指数は好不況の分岐点である50のボーダーラインを下回っていましたが、直近は50以上にリバウンドするということが起こっています。このようにアメリカ経済が力強さを増しているということは、本質的にドルが強くなるファンダメンタルズを持っているということです。加えて中央銀行の姿勢も年に四回利上げがありそうだというのが今年の初めの観測であり、それが二回ぐらいに回数が引き下げられたわけですが、その理由はアメリカ国内に問題があるのでなく海外要因だというのが一般的な解釈です。利上げのペースは緩和するものの、やはり利上げという方向には変わりはないわけです。他方、日本の中央銀行の日銀は更なる金融緩和は必至であるとみられています。アメリカの景況感の堅調さ、改善が続く限りこのドル安円高基調というのは自ら限定的であり、110円からのオーバーシュートがあるかもしれませんが、その後リバウンドしていくという可能性が強いと思います。これは最もはっきり言える、際限のない悪循環がずっと続かないという理由です。

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