投資収入だけに頼ることの危険性

米マーケットウォッチ紙が、「なぜ、退職後のバイ&ホールド投資は危険か?」と題したコラムを載せている。

「2000年1月に退職し、100万ドルの資金で生活するとする。毎年4万ドルを引き出し、生活費に充てる。その期間のインフレ率を考慮すると、毎年3%ずつ多く引き出す必要がある。つまり、2年目は4万1200ドル、3年目は4万2436ドルといった具合だ。

ところが、2000年の株式市場は10%下落した。90万ドルから4万ドルを引き出すことになり、86万ドルが残った。2001年は13%下落し、引き出し後の資金は70万ドルとなった。2002年はさらに23%下落、50万ドルが残った。

2003年は26%上昇。残金は60万ドルに増えた。このように以降の上げ下げから生活費を引き出し続けると、2008年末の残金は29万ドルとなる。こうなると、毎年19%の株価上昇が続かないと、残金を減らさずに生活費を賄うことができなくなる。実際には、2013年には残金がゼロとなった。」
参照:Why buy-and-hold is a bad idea for retirees
http://www.marketwatch.com/story/why-buy-and-hold-is-a-bad-idea-for-retirees-2016-03-17

ここでのポイントは、「20%下げると、20%上げても元には戻らない」ということだ。つまり、50%下げれば、元金を回復するためには、100%の上昇が必要となる。100万円が50万円になれば、倍増でしか100万円には戻らない。50%の上昇率では75万円にしかならないのだ。

もう1つのポイントは、生活費を投資収入だけに頼ることだ。このコラムの想定では、退職後の資金100万ドル(1億1300万円)だけで生活することが前提だが、ここに年金収入があればどうだろう? 仮に、年金だけで生活費を賄うことができたなら、2000年当時の100万ドルは、株価の値上がりにより、2016年には133万ドルに増えている。

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同じことは、専業トレーダーにも言える。

仮に2000万円の資金を、毎年20%で回し、税引き後の収入で生活するとしよう。短期トレードでは、相場の長期的な上げ下げの影響を受けないので、ノウハウと技術だけで、コンスタントに年率20%を上げ続けたとする。

これでは、資金は増えも減りもしない。何もなければだ。何かがあると、それが事故、病気、冠婚葬祭など、何であれ、増えることはまずないが、減ることはしばしば起きる。

仮に200万円を出費し、残る1800万円で運用を始めると、20%のリターンでは生活できなくなってくる。運用資金は徐々に減り始め、上記コラムのような事態になるのは、時間の問題となるのだ。このことは、「投資のポイントは大損を避けること」であることも証明している。

それで私は、「専業トレーダーになりたい」という人たちには、「専業トレーダー並みに稼げるようになりたい」と、目標を変えるようにお勧めしている。

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