「アニメ、ロボット、人形浄瑠璃と初音ミク」

・世の中、どの分野でも「作り手」と「受け手」が存在する。本を書く人、アニメを創る人、ロボットを開発する人、人形浄瑠璃を演じる人、シンガーソングライターなど、「作り手」はさまざまである。ビジネスはほとんどの場合、何らかの「作り手」からスタートし、モノを作ったり、サービスを提供したりする。「受け手」はB to Cの場合、消費者であり、提供される価値を楽しむ人である。

・「作り手」と「受け手」はバリューチェーンの中で、さまざまな連鎖(つながり)をもっており、コンテンツのキャッチボールをしている。“初音ミク”は不思議な存在である。知る人にとっては、もはや当たり前かもしれないが、筆者にとっては、AKB48の人気が爆発した時と同じようにサプライズであった。

・その開発者であるクリプトン・フューチャー・メディアの伊藤博之氏(代表取締役)の話を聴く機会があった。クリプトン・フューチャー・メディアは札幌に本社を置き、創業20年を迎えている。音楽制作に関する材料提供では世界トップクラスであり、音楽配信のアグリゲーターでもある。仮想楽器(Virtual Instruments)を提供している。ドラム、ピアノ、ギターからオーケストラまで、音のシミュレーションをビジネスにしている。

・その中で、2007年8月に人の歌声をキャラクラーと合わせて視聴できるようにした。①音声合成技術と②コンピュータミュージックを組み合わせて、歌唱合成技術に仕上げた。誰でも自分の楽曲をキャラクターに乗せて歌わせることのできるソフトウェアを開発した。

・このキャラクターが初音ミクである。キャラクターが単なるおまけではなく、キャラクター自体が強力なメディア(媒体)となった。つまり、音楽情報の伝達において、中心的な役割を果たすようになったのである。

・音楽を創る人は、若者を中心に山のようにいる。受け手であるユーザーが、自ら音楽のコンテンツを作る。このUGC(User Generated Contents)がネットに載ったとしても、通常ほとんど伝わらない。知られる機会が少ないのである。これに対して、バーチャルシンガーである16歳の少女、初音ミクが歌うと、俄然注目を集めるようになる。

・ここで、ユニークなプラットホームとしての仕組みが作られた。単なる遊びの場ではなく、著作権の課題をいかに乗り越えていくかという点で、対応策を工夫した。著作権から解放して、作品の2次利用ができるルール作りを行ったのである。創作の‘ルール’と‘マナー’を定め、「piapro(ピアプロ)」という投稿サイトを作った。ここに投稿したら、他の人が使ってもよいというルールを定め、利用した時には‘ありがとう’のメッセージを発信するというマナーを設定した。

・初音ミクの作品(彼女に歌ってもらう楽曲)はすでに100万件を超えている。なぜ創作の連鎖がこれほど広がったか。1つは共感の連鎖にあり、もう1つは‘ありがとう’の連鎖にある、と伊藤氏は強調する。すべての人がクリエイターになれる。自分の楽曲が、金銭的なものではないが、多くの人に知ってもらえる場として受け入れられている。

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