「統合報告の実践と活用に向けて~アサヒ、伊藤忠、オムロン、MS&AD」

・12月にWICI(World Intellectual Capital/Assets Initiative:世界知的資本・知的資産推進構想)のシンポジウムが催された。その中で「WICIジャパン統合報告表彰」が行われ、審査委員長を務めた。

・WICIジャパンの統合報告表彰は3回目であった。今回は4社が優秀企業賞に選定された。伊藤忠商事とオムロンは3回連続で、アサヒグループホールディングスとMS&ADインシュアランスグループホールディングスは初受賞であった。

・審査のポイントは、①価値創造のストーリー、②将来の事業展開とリスク、③価値創造のドライバーとKPI、④コーポレートガバナンス、⑤資本コストと株主還元、⑥報告と開示、にあった。

・東証1部の時価総額上位200社に、統合報告(Integrated Reporting)に相当する年次報告書を作成している会社を加えて、審査対象とした。その上で、WICIの「審査シート」をベースに選定を進めた。本審査に21社が選ばれ、最終審査では6社の中から上記の4社が表彰企業に決定した。

・統合報告作成への挑戦はまだ始まったばかりである。報告書を読んでみると、それぞれに個性があり、工夫もみられる。しかし、統合報告に求められる内容と、投資家としての使い勝手という視点で評価すると、その水準はまだまだで格差も大きい。今回表彰された企業の年次報告書はよくできているが、ベスト(最上位)というわけではない。まだ、改善すべき点を残している。

・その点も踏まえて、今回のシンポジウムで注目すべき論点をいくつか取り上げてみたい。1つ目は、わが社の企業価値創造に関する実力を、企業自身が分かっているのか。2つ目は、その実力をどのように表現してステークホールダーに理解してもらうのか。

・3つ目は、投資家は表現された内容で、本当にその会社の実力を知ることができるのか。4つ目は、一連の活動で企業の価値創造に対する実力は高まるのか。そして5つ目は、投資家は企業の真の実力を知り、そこに投資することでパフォーマンスは上がるのか。以上が問題意識である。

・IIRC(International Integrated Reporting Council:国際統合報告評議会)から、統合報告に関するフレームワークは出されているので、それを参考に統合報告を作ればよいはずであるが、実はこれが容易でない。

・過去の財務情報ははっきりしているが、企業の価値創造の源は非財務資産にあり、その無形資産を仕組みとして‘見える化’する必要がある。そうしないと、投資家は理解できない。

・そのためには、価値創造のプロセスを分かり易く示す必要がある。価値創造のプロセスこそがビジネスモデルであり、投資家は企業とビジネスモデルを共有したいと考える。ここが十分理解でき、信頼がおけるならば、中長期的な投資対象として納得できる。

・価値創造のプロセスがサステナブル(持続的)であるには、ビジネスモデルが社会環境の変化に対して、進化適応していく必要がある。1) 次の新しいビジネスモデルははっきりしているか、2)将来のビジョンとその実現に向けた戦略は実効性を持っているか。ここを投資家は知りたい。最も望ましい姿は、現在のビジネスモデルの中に、次のビジネスモデルへ進化する仕組みが内包されていることである。それを志向する会社もある。

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