「長期投資と短期投資」

・自分は長期投資家だろうか短期投資家だろうか。これにどう答えるか。NISAが5年なので、5年くらい投資するのであれば長期で、1年以下なら短期というイメージだろうか。では、デイトレーダーは超短期で、年金基金を運用するAM(アセットマネジメント)会社は超長期といえるのか。

・これは短期、長期をどのくらいの期間で定義するのかという問題だけではなさそうである。同じ投資家でも、長期投資の対象、中期投資の対象、短期投資の対象がありうる。長期投資といっても、一年も経たないのに売ってしまう場合もある。短期投資のつもりでも意外に長く持つ場合もある。大事なことが3つある。

・1つは、自分の投資スタイルを考えて、自分にとりあえず合っていそうな投資のやり方を定めることである。すでに投資している人は、自分のスタイルは何かを改めて考えてみる。自分のスタイルをはっきりさせたうえで、その通り行動しているかを見直す。そうすると、自分が予め考えたスタイル通りのアクションを継続していないことが多い。

・2つ目は、何に投資するかを考える。株か債券か投資信託かという投資商品の種類(アセットクラス)をいっているのではない。例えば、日本株に投資するとして、株の何に投資するのか。トヨタか日立かという銘柄の話でもない。その株式のどんな価値に投資するのか、を問うているのである。

・そんな難しいことをいわれてもよく分からない。値上がりする株に投資したい。値上がりする株の材料に注目して、それに上手く乗っていけばよい、というかもしれない。これも1つのスタイルであるが、それで本当に上手くいくであろうか。

・3つ目は、投資する対象の価値と価格について、絶えず仮説を立てることである。例えば、米国の利上げが遠のくという新しいニュースで、昨晩ドル安が進んだ。円髙だから、今朝の輸出株の中ではスバル(富士重工業)が下がるだろう。寄り付きで値下がりが見込めるはずだ。これをとろうと考えた時、そのストーリーが仮説である。この仮説に投資するとすれば、かなり短期のデイトレードであろう。

・一方、会社の利益が2倍になれば株価も2倍になるはずである。利益が2倍になるという見方はまだ株価に織り込まれていない。スバルの競争力は大きく高まっている。大型の設備投資で生産能力を高めている。これが上手くいけば、BMWのような新しい企業イメージを確立できるのではないか。米国でのスバルの評価をみているとそのような気がする。新しい海外市場の開拓もできそうだと、会社説明会で社長は自信を持っていた。そこで、新しい市場開拓による増産で利益が2倍になるとすれば、今後5年間でみて株価も大幅に上昇しよう。この仮説に投資するとすれば、これは長期投資といえそうである。

・自分はどんな仮説を立てるか。それにどのくらい自信が持てるか。仮説はその通りにならないことも多い。上手くいかないと分かった時にはすぐに反対売買で降りる必要がある。よく「長期的視点で投資を考えるが、実際の売買は短期で行うこともあり、長期投資=長期保有ではない」といわれる理由の1つは、ここにある。

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