株式持ち合いを発表した学研と河合楽器

進む持合い解消の動き

 日本企業へ海外投資家の資金を呼び込もう、という動きの中で、ROEの重視が、あらゆる企業に広がっている。アンチROEと言われていた三菱重工でさえ、ついにROE目標10%という数値を公表し始めた。その動きと同時に、「株式の持ち合い」の解消も、進んできた。買収防衛などの目的で、お互いの株を持ちあう、あるいは、政策投資として保有する、という行動が、ROE向上を妨げているのではないか、という指摘がなされているからだ。

 日経新聞などによれば、1988年度には時価総額の約51%が持合いであったが、2014年度には、約16%にまで、解消が進んでいるという。しかしそんな中、以前紹介したように、DeNAと任天堂が、株式持ち合いによる資本業務提携を発表した。発表前に14080円だった株価は、2日後の3月19日には一旦2万円を超えた。その後一度調整をするが、4月15日には再度2万円をつけ、さらに5月15日には、23000円程度まで上昇をする。

 一方のDeNAも、発表前には1407円だった株価が、2日後には2107円に上昇。4月9日には2500円も突破した。その後の高値は、今のところ6月1日の2705円だ。

 株式持ち合いは時代に逆行するとはいえ、業務提携を伴い、業績に寄与するような持合いは、やはり市場では大きく好感されると言える。そもそも、株式持ち合いは、日本企業が経営上の大きな武器とする戦略であり、企業同士の結びつきを強める、重要なスキームだ。こういった資本業務提携による株式持ち合い、あるいは政策投資は、日本企業の関係を構築するのに有効な手であり、どんどん進めていくべきだろう。日本の財界特有の良さを、みすみす捨てる必要など全くないのだ。

持合いを発表した学研HD(9470)と河合楽器(7952)

 DeNAと任天堂ほどのインパクトは無いが、7月31日、学研と河合楽器が、株式持ち合いを発表した。この両者は、今年の2月27日に、すでに業務提携を発表している。学研HDが展開する「学研教室」と河合楽器の「カワイ音楽教室」を共同で運営することで合意した。しかし、今回の資本提携により、さらにその提携内容も深化させ、人材交流や、FC展開、コンテンツの共有を進める、としている。

 DeNAと任天堂のように、真新しい話ではないこと、新たな提携内容のインパクトが少ないことなどを考えると、両社のような大きな動きは期待が出来ないかもしれない。しかし、6億ずつの資金で、市場から株を買う、という発表は、底値近辺で揉む学研HD、河合楽器の株価を動かすには十分だろう。6億円という額は、河合楽器時価総額(176億)の約3.4%、学研HD時価総額の2.3%だ。

 学研HDは3月2日に269円の高値を付けた後、7月9日に237円の安値まで下落し、先週末は246円で終わっている。一方の河合楽器は、先週末の安値2022円が年初来の安値だ。河合楽器のほうに、より株価インパクトは大きく出る可能性が高いが、長く続くかどうかは、提携関係が業績に結び付くかどうかだろう。こういった動向が、日本企業の「正当な」株式持ち合いの動きを活性化させることが期待される。

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