ギリシャ国民投票で緊縮策にノー、債権者側とドイツは譲歩を迫られるだろう

経済の合理性が貫かれるならギリシャ債務問題は解決へ
7月5日のギリシャ国民投票によりギリシャ国民はノー、つまりチプラス政権の呼び掛けにこたえ、債権者側の緊縮財政の要求を拒否する態度を表明した。債権者側とドイツは信任を得たチプラス政権に対して一定の譲歩、緊縮財政要求の緩和と債務のリストラクチャリングをするか、ギリシャにユーロ離脱を迫るかの選択を迫られる。しかし、債権者とドイツ側に選択の余地はなく、譲歩による合意成立、ギリシャのユーロ残留の可能性が高いと思われる。その見通しが立った時点で世界式は大きく反発するだろう。

そもそもギリシャ債務は民間の債務ではなく、ギリシャ政府と中央銀行によるEU、ECB、IMFという国際公的機関に対する債務であり、それは各当事者の判断ひとつで弁済遅延容認がなされ、破たんは回避される性格のものである。特に命綱を握るECBがギリシャへの資金供給を断つとは考えられない。ギリシャは資金枯渇による突然死の可能性は限りなく低いのである。

ギリシャの地政学的重要性
債権者(EU、ECB、IMF)とドイツがこれまでの主張を貫き交渉が決裂することは考えられない第一の理由は地政学にある。債権者とドイツ、米国はギリシャの持つ地政学的重要性からして、ギリシャをロシア・中国側に押しやることは絶対できない。混乱する中東、ウクライナ・東欧に対するNATOの最前線として、バルカン半島の突端に位置する要衡ギリシャを失うわけにはいかない。ギリシャの国防支出の対GDP比は2.2%と米国(3.5%)に次ぎNATO第二位である(ドイツは1.2%)。NATOは加盟28か国にGDP比2%以上の軍事支出を求めているとされ、ギリシャはNATOの優等生なのである。チプラス政権もギリシャ国民の大多数もユーロ離脱も、ましてや西側の一員としてのNATOからの離反も望んでいない。

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喫緊の課題は不況と失業、財政赤字ではない
債権者(EU、ECB、IMF)とドイツが譲歩を余儀なくされる第二の理由は、経済と政策の合理性にある。チプラス政権は当初のかたくなな姿勢を緩め、6月23日、付加価値税、法人税増税による歳入確保、年金給付年齢の引き上げ、長期財政目標の提示など一定の譲歩を示した。これ以上の緊縮は経済を損ない長期財政再建を困難にすると言う見方には一理ある。そもそもギリシャの対外経常赤字、プライマリー財政赤字は解消しており、フローとしてのギリシャ債務問題はほぼ解決しているともいえるのである。ギリシャの債務問題は今の債務ではなく過去から積み残された借金なのである(末尾図表7参照)。

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