「アジアの未来~ビジョンの共有と対話の促進に向けて」

・5月に日経主催の「アジアの未来」というシンポジウムが開かれた。毎年参加しているが、株式投資の視点を意識しながら、アジアの政治家の発言に耳を傾けた。いくつかの注目すべき論点について考えてみたい。

・シンガポールのゴー・チョクトン前首相は、2つの欠落について指摘した。1つは信頼と信用の欠如であり、もう1つは共通のビジョンの欠如である。国として互いに信頼できなければ、協力は生まれない。中国、日本、韓国、インドにとって、将来に関する共通の目標は何か、これが必要である。信頼とビジョンは必ず作れる。その思いをまず持つことであると強調した。

・アセアン10カ国をみれば、かつては紛争が絶えなかった。今でも対立はある。しかし、1967年にアセアンを作って以来、互いに信用できるように戦略的に取り組んできた。信頼を作るには、過去を直視し、次に和解を進め、そして前へ進むことであるが、アジアの大国は大戦の後遺症を解決できていない。これを解決しないと、この問題は何世紀も続くことになり、禍根を残すことになろう。和解をするには、過去の誤りを認め、反省し、互いに受け入れることが必要であるという。

・日本は戦後70年間、いいことを沢山やってきた。それは実績である。ゴー・チョクトン氏は、車の運転に例えて、バックミラーばかり見ても前へ進めない。前に走るには、共通のビジョンを作り、そこでは価値観の共有と原則を明確にすることである。今、アジアにはこのビジョンが必要である。アジア共通のビジョンを作るという合意をまず結ぼうと提案する。

・そんなものができるか、という発想ではなく、アジアのビジョンに何を盛り込むべきなのか、という視点で現実をみる。自国の利害を中心に摩擦を繰り返すのでは、発展のレベルが全く異なってしまう。日本の時価総額が今から2倍になることをイメージする時、アジアマーケットが3~4倍になるような展開は不可欠である。互いに紛争を起こし、摩擦を繰り返すようでは、大きな未来はない。

・カンボジアのスン・チャントル商業相は、ビジネスを遂行する上での透明性を上げていくことを強調した。9年間の免税、法人税20%、価格コントロール無し、内外投資家を同等に扱うなど、外資の導入に必死である。とにかく、インフラを作って行く必要がある。ADBに対して、AIIBが補完的な役割を担うのであれば、大いに結構というスタンスである。2つの金融機関があれば、使い易くなる。インフラ投資を急ぐので、AIIBを使ったからといって、その国に対して何らかの制裁は加えないでほしいと強調した。

・モンゴルのツァヒャー・エルベグドルジ大統領は、首相から大統領になって6年、ロシアと米国に留学してロシア語と英語が堪能である。モンゴルは1920年代から70年間共産主義の世界にいたが、1990年以降、壁のままか、自由になるかという選択の中で、1滴の血も流さずに自由を選んだ。GDPに占める民間の比率は当初の5%が今や80%になった。

・エルベグドルジ大統領は、「フォーラム・オブ・アジア」を提案した。地域を包括するメカニズムをプラットフォームとして作る。国連に入っているアジア48カ国が加盟するフォーラムを作る。北アジアにロシアは入る。モンゴルは中国、ロシアと国境を接している。4800㎞もあるが、国境に問題はないという。首都ウランバートルに集まって、共通の価値について話し合おうと提唱する。各国から平等な代表を出して、1国では解決できない課題に対して、対話を進める。かつてジンギスカンは、征服はできても統治はできなかった、という比喩が印象に残った。

・インドネシアのユスフ・カラ副大統領は、繁栄には平和が必要であると指摘した。いかに共通の価値、ビジョンを醸成できるかが重要である。それでも摩擦は生まれる。それは目標達成の戦略が違うからである。南シナ海の紛争について、いかに平和的に解決するか。マラッカ海峡に学ぶ必要があるという。

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