「アジアで成功する条件」

・アジア経営者ビジネスサミット(アジア経営者連合会主催)で、いくつかの話を聴いた。それを元に、アジアで成功する条件についてまとめてみた。一般論としては当たり前のような内容だが、多くの中堅サービス企業がアジアでビジネスを拡大しようとしている。その時に先行した日本企業のトップのアドバイスは参考になろう。

・日本の人口は1.2億人だが、アジアは38億人(世界70億人の54%)、その中で富裕層、中間層が伸びてくる。日本と比較にならないくらいビジネスチャンスがある。しかし、注意すべきことが3つある、とH.I.S.の澤田会長は指摘する。1つは、法律を知ることである。規制や税制で思わぬ落とし穴に落ちることがある。2つは、文化や環境が違うことである。日本で正しいことがその国では正しいといえないことがある。3つは、インフラが全く違うので、その水準に注意すべきである。それでも、中小企業やベンチャー企業にも成功の確率が高まっている。IT、飲食サービス、不動産などで新しい動きがみられる。

・成功するには、5つの条件があると澤田会長は強調する。1つは、情報を十分収集することである。とりわけ、その国が日本のどの時代に当るのかをよく考えて検討すべきであるという。早すぎても上手くいかず、遅すぎては潰されてしまう。

・2つ目は、組むべきパートナーをよくよく選ぶことである。どんな人と組むかが成否を分ける。澤田会長によると、個人ではなく、必ず会社と組むようにすべしという。会社を見る時には、その会社が発展しているかどうかをまず見る。次に、その会社の社内に入って、現場が整理整頓されているかを見る。会社が清潔で、きれいな会社は信頼できる可能性が高いと強調する。1つの経験則として興味深い。

・3つ目は、まずはチャレンジすることである。チャレンジすると必ず問題が発生する。これを克服するように努力する。上手くいかなくても事業を継続することである。継続は力なり。すぐに諦めずに、石の上にも3年。3年分の資金は持って現地に乗り込めという。

・4つ目は、それでも失敗することはままある。その時致命的な失敗をしないことである。日本の会社が潰れてしまうようなリスクはとらない。もう1つは失敗にめげないで、明るく元気に振る舞うことである。失敗の教訓は次の成功の母になると断言する。

・5つ目は、海外進出の目的を明確にしておくことである。何のために、何に貢献するのかを具体的にしておく。5年後にどういう会社にするのかを描いておく。ゴールがなくては走れない。夢を大きく持って志を高く掲げることである。アジアでは、今後10年で数千社が上場してくる。そのくらいの勢いがある。最後は運もあるが、それが向いてくるようにチャレンジせよ、と若き経営者を鼓舞していた。

・ニトリホールディングス(コード9843、時価総額9636円)の似鳥社長は、事業成功の条件として、5つ挙げた。①ロマン(大志)、②ビジョン(20年以上の長期計画)、③意欲、④執念、⑤好奇心である。社員に対して、社長のため、会社のために努力せよとは全くいわない。自分の人生のため、自らの成長のために努力せよと常に話している。

・似鳥社長の執念は3000店、売上高3兆円にある。札幌から東京に居を移して8年、車のナンバーも3000に拘っているほどである。27歳の時に米国を視察して、人生観が変わったという。当時の日本は50年遅れている、今でも20年は遅れているという認識である。いかにコーディネートできる家具を提供するか。その流通革命に取り組んできた。

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