S&P 500 月例レポート

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1月をエンジョイできたのは銀行家(あるいは空売り筋)だけ

1月をエンジョイできたのは銀行家ぐらいでしょう。中央銀行、政府、有権者それぞれが活発に動いた月でした。原油、銅、ドル高、決算以外に相場を動かす要因がたくさんありました。1月最大の出来事はもちろん、欧州中央銀行が690億ドル規模の資産購入プログラムを発表したことでした。2015年3月から少なくとも2016年9月まで実施され、資産購入総額1.2兆ドルとなります。プログラムの規模と期間とも市場予想を上回りました。また、インフレ状況次第では買い入れ期間を延長するとし、米連邦準備制度理事会(FRB)のデータ重視の資産購入プログラムの欧州版と言えるでしょう。より積極的なアプローチであると受け止めた市場はポジティブに反応し、発表当日S&P500は1.53%上昇し、ユーロは対ドルで11年ぶりの安値をつけました。この発表前にスイス国立銀行は1ユーロ=1.2スイスフランの上限を予想外に撤廃し、ユーロ圏からの資金流出によりスイスフランは最高値水準に達しました。為替トレーダーにとっては「予想外」といった表現では軽過ぎるほど深刻な出来事で、一部トレーダーは資本損失を補うために資本をかき集めました。カナダ銀行は市場予想に反して1.0%の翌日物金利を0.75%に引き下げ、その理由を原油価格の下落がもたらし得る悪影響に備えた「保険」と説明しました。日本銀行は原油安を背景に2015年度の物価上昇率見通しを従来の1.7%から1.0%に引き下げ、景気刺激策の現状維持を決定しました。イングランド銀行は金利据え置きを全会一致で決定しました(利上げを主張してきた委員2名が据え置きを支持)。春節を前にした資金不足を緩和するために中国人民銀行は融資をロールオーバー(434億ドル)し、金融システムに80億ドルを追加供給しました。デンマークは1月に預金金利を3回引き下げています。ロシアは通貨を防衛するために12月に政策金利を17%に引き上げましたが、1月は15%まで引き下げました。インドやトルコも利下げに踏み切りました。国際通貨基金(IMF)も原油安などを理由に2015年の世界全体の成長率を前回予測の3.8%から3.5%に、2016年の成長率を4.0%から3.7%にそれぞれ下方修正しました。IMFは米国の成長率を前回予測の3.1%から3.6%に上方修正し、中国の成長率を前回の7.1%から6.8%に下方修正しました(中国のメディアは経済成長率目標は7.0%と報じています)。また、IMFは中東の産油国が原油輸出から3000億ドルの損害を被る見通しを示す一方、潤沢な現金バッファーで吸収できるとしています。さらに、同地域の成長率を前回予測の4.5%から3.4%に下方修正しています。

政治面では、ギリシャ総選挙で反緊縮を掲げる野党急進左翼進歩連合(SYRIZA)が勝利し(300議席中、約半分を獲得)、連立政権を発足させました。SYRIZAは支援プログラムを再交渉することによる大規模な景気刺激策の実施や債務免除を望んでいます。これは欧州委員会(EC)や欧州中央銀行の計画と真っ向から対立しています。ギリシャ新政権が財政緊縮策を見直し、公務員の再雇用に動くなどする中、(特にドイツなど)各国の批判的な声明が飛び交いました。反緊縮派の勝利はイタリアにも影響を及ぼしているようです。ウォール街の見方(その是非はさておき)は、ECはギリシャと交渉する必要があり、ギリシャは他に残された選択肢がよほど最悪であることを念頭に置くべきだというものです。

米国政治においては、オバマ大統領が一般教書演説を行いましたが、内容は予想通りで、野党の反応もこれまた予想通りでした。議会に協力を求める呼びかけは翌朝までと、筆者の予想を超えて長時間に及びました。原油価格は続落し、2009年以来初めて44ドルを下回りました。結局、1月の終値は47.60ドルでした(前月は53.27ドル)。唯一好材料となり得るのは、原油価格が過去2週間44-48ドルのレンジ内に収まっており、ある程度の安定性の兆しが見えるということです。石油会社は原油価格の低下を理由に、2015年の設備投資、掘削、探査を減らそうと躍起になっています。いずれは需給関係のメカニズムが働く時が来るでしょうが、当面それはないようです。

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