荒れる10月相場

私は株式を割高とは見ていない。むしろ、債券を超割高だと見ている。その意味で、今後、投資物件として選ばれるのは株式だと見ている。また、円安も見ているので、その面でも株価にはポジティブかと思う。

短期的には様々なものが材料となるが、世界を振り回すことができる国力、一人勝ちと言われている経済、企業業績、それらを見ても、ドルは強そうだ。

Q&A:海外勢は日本株に見切りをつけた?

Q:8日から10日までの3日間で、米系証券が日経平均先物とTOPIX先物をともに約1万1000枚ずつ売り越したと聞きました。想定元本ベースでは、約3000億円の日本株を売った計算となるようです。日本株はこれまで海外主導で上げてきたと認識していますが、海外は日本株に見切りをつけたのでしょうか?

A:10月以降、世界の株式市場が乱高下しています。ニューヨーク・ダウは10月に入ってこれまでの8営業日中の5日間で、前日比上下200ポインの上げ下げを演じました。先週水曜日は2014年に入って最大の上げ幅、翌木曜日は今年最大の下げ幅でした。S&Pとナスダックは、2012年5月以来の週間下げ幅です。

日経平均は2日に前日比420ポイント下げたほか、前日比で100ポイント以上下げた日が4日、182ポイントの上げが1日でした。東証が発表する株式の空売り比率は9日時点では36.2%。今年最高だった10月3日の36.5%とほぼ同水準です。つまり、2012年第4四半期から日本株投資を増やしてきた長期投資家が日本を見切ったというより、円キャリーで日本株を持っていたところの巻き戻し、あるいは、地政学リスクや景気後退リスクを材料にした売り仕掛けと見た方がいいかもしれません。

もっとも、この10月には米連銀の量的緩和が終了します。量的緩和が終了しても、これまで大量に供給してきた資金がなくなる訳ではありませんが、そのカネ余りは、すでに高株価や低利回り、新築住宅価格の最高値更新という形で、すでに価格に反映されています。ここで、資金供給が止まると、これまでのような何でも上げる相場ではなくなってきます。つまり、ファンダメンタルズを反映し、投資物件の選別が始まるのです。
参照:10月は下落率の大きい月とされている
http://fx.minkabu.jp/hikaku/fxbeginner/month-is-greater-of-the-rate-of-decline-in-october/

日本の量的緩和は続きます。一方、私は株式を割高とは見ていません。むしろ、債券を超割高だと見ています。その意味で、今後、投資物件として選ばれるのは株式だと見ています。また、円安も見ていますので、その面でも株価にはポジティブかと思います。

・ドル高を懸念し始めた米国

このところのドル高で、米連銀や議会には景気への悪影響を懸念する声が出始めた。一方、米がドル高懸念を表明し始めたのと同時期に、日本からは共鳴的に円安懸念が出始めている。

先週も、円安倒産急増とのニュースの見出しがあったが、実のところは、このところの円安により、円高倒産が急減、円安倒産が急増し、トータルでは倒産件数、負債総額共に、バブル期以来約24年ぶりの低水準となっている。つまり、円安にデメリットがあることは否めないが、メリットの方が大きいのだ。これは、倒産しなかった企業の業績面にも現れている。

「2013年度に税務申告した法人のうち、黒字と申告した法人の割合は前年度比1.7%増の29.1%と、3年連続で上昇した。申告所得の総額も前年度比8兆0906億円増の53兆2780億円と、4年連続の増加となった。国税庁は『企業の業績改善がうかがわれる』としている。大企業などに多い連結法人では、1425法人が申告し、黒字の申告割合は前年度比7.5%増の57.5%と過去最高だった。」

黒字企業は全体の3割以下、大企業の連結法人でも昨年度までは半分以下だった。それが、3年連続で上昇基調となっている。税収も増え、増加分は8兆円と、2014年度の消費増税分の見込み税収約5兆円を大きく上回っている。

欧州中銀の金融緩和はユーロ安が目的だと明言されている。米国も先行した金融緩和によりドル安誘導をし、もちろんそれだけではないが、一人勝ちと言われるまでに経済を立て直した。

円は、貿易赤字と異次元緩和により、円安トレンドに転じた。私は、倒産件数がバブル期以来の低水準になったことも、企業業績の改善も、雇用市場の改善も、円安効果によるものが一番大きいとみている。何年も前から、円安になれば景気は上向くと言い続けてきたが、その通りになっている。

円安とドル高とは同じ方向だが、メリット、デメリットは、通貨安、通貨高で分かれることになる。双方が同時に懸念を表明するのはおかしい。ようやく倒産が減り、業績が上向き、雇用の拡大が見られるようになったのに、懸念を表明する日本の方がおかしい。個人消費が伸びないのは、所得が伸びないから。実質所得が減っているのは、円安より増税分が一番大きい。14日発表の9月の国内企業物価指数は前月比-0.1%、前年比+3.5%の106.3だった。消費税引き上げ分が+2.8%。その影響を除くベース(円安など)では前年比+0.7%だった。日本経済の最大の懸念は円安ではなく、政府の再増税なのだ。

円の長期トレンドは売り切り買い切りの実需に大きな影響を受ける。日本が貿易黒字を謳歌していた時は、長期的な円高だった。このことは、貿易赤字への転換は、長期的な円安トレンドを示唆している。

中期トレンドは金利差が大きな役割を担っている。10月10日終了の時点で、日本の10年国債の利回りは0.50%、米国10年国債は2.28%だ。インフレ目標が2.0%の時に、0.50%で運用する経済的理由はないので、円売りドル買いの大きな動機となる。その金利差は、来年以降、さらに大きく広がる見通しだ。つまり、中期トレンドも円安を示唆している。

短期的には様々なものが材料となるが、世界を振り回すことができる国力、一人勝ちと言われている経済、企業業績、それらを見ても、ドルは強そうだ。現状での懸念は買われ過ぎによる自律反転ぐらいといった強さだ。ドル高懸念発言、円安牽制発言などは、そういった利食いに使われる可能性があるが、そんな調整もそれほど長引かないかと思う。

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