「信用評価損益率」を日々チェックして、いち早く市場全体の相場動向をキャッチしよう!

 投資家なら誰もが気になる市場全体の相場動向。アベノミクス以来、株式市場に活気が戻り、総じて投資環境は良好だが、とは言え、相場の流れは予想できないもの。2013年5月の急落を思い出すまでもなく、日々流される膨大なニュースや様々な指標の中から、相場のトレンド変化を読み解くことはどんな投資家にとっても容易ではないだろう。

 そんな中、目利きの投資家達が注目しているのが個人投資家の売買の約6割を占める信用取引の動向だ。信用取引は言うまでもなく、いずれは反対売買によって決済を義務付けられている取引。従って、買い残が多ければ将来の売り圧力に、売り残が多ければ将来の買い圧力に結びつく。つまり信用取引の売買状況を知ることが、相場の先行きを推し測る一つの目安ともなるわけだ。

 信用取引の需給動向を測る指標はいくつかある。買い残高に対する売り残高の割合を算出した「賃借倍率」は、現在の市場や銘柄に対する投資家の心理状況を表す指標として重視されているし、「回転回数」を見れば相場の過熱感を判断することができる。

 そして、市場全体のダイナミズム、つまり株価の天井や底がいつ訪れるのかを探る指標として注目されているのが「信用評価損益率」だ。これは信用取引を行っている投資家が現段階でどれぐらいの含み損益を抱えているかの平均値を表したもので、買建玉の評価損益合計を買建玉の総額で割って算出する。例えば買建玉の総額が1000億円の時に、評価損益の合計がマイナス50億円なら、信用評価損益率はマイナス5%となる。

 決済期限がある信用取引では、一般的に個人投資家は評価益が出ると利益確定のための反対売買を急ぐ一方で、評価損を抱えると、利益が出るまで待とうとする傾向がある。従って、買建玉を保有していることは評価損を抱えていることにつながるため、「信用評価損益率」はマイナスになっているのが通常で、概ね0%からマイナス20%で推移している。そのため、値はマイナスであっても0%に近い場合には、利益が出ている投資家が多い状態だと考えていい。

 「信用評価損益率」が相場動向を知る指標と言われているのは、この指標の値と株価に一定の相関関係があるためだ。評価損益率が0%に近づくと、含み損を抱えている投資家が少なくなり、株価も上昇している状態で、相場が天井圏に近付いていると見ることができる。逆にマイナス20%近くでは追証が発生する水準となり、底入れの目安になると言われている。

  実際に、「信用評価損益率」と日経平均株価の推移を比較すれば、相関関係にあることが分かる。

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 また、マザーズやジャスダックなど新興市場の株価動向を知るには、この指標はより有効だ。これらの新興市場では、個人投資家の売買比率が6割を超え、株価の値動きが個人投資家の需給動向に直結するからだ。

 ぜひともチェックしたいこの指標はどこで見られるか。「信用評価損益率」は二市場(東証、名証)の前週の信用取引現在高をもとに日経新聞が算出、発表している数値を指すのが一般的だ。だが、これではデータの算出、発表が週をまたいでしまうため、よりリアルタイムで相場動向を嗅ぎ取りたいと考える投資家にとってタイムラグが大きい。

 そこでお勧めなのが、松井証券がWEBサイトで公開している「ネットストック投資指標」だ。

http://www.matsui.co.jp/news/ranking/info.html

 ここでは、松井証券利用者の取引データをもとに、「信用取引残高」と「信用評価損益率」を日々更新し、過去データと共に公開している。松井証券利用者のみのデータだが、公表されている指標の推移は、二市場のデータとほぼ連動しているから、いち早く「信用評価損益率」の状況を知りたい投資家にとってはありがたい。

 松井証券の口座を持っていなくても見ることができ、さらに無料のメルマガ登録をすれば、毎日夕方に最新指標が送られてくるから、とても便利だ。

 昨年前半のような熱狂こそないものの、静かながらも先高観に包まれ、じりじりと株価が上昇している現在の日本市場。とは言え、相場の先行きは誰にも分からない。だからこそ、こうした有効な指標を活用し、投資判断の精度向上を目指してはいかがだろうか。

(みんかぶ編集部)

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