なぜ米国長期金利の急低下が株高ドル高要因なのか

不思議な金利低下と株高の進行
意表を突く米国金利低下が続いている。長期金利は年初の3%から先週末は2.4%台まで低下した。この間物価連動債金利も全く同様に低下していることから見て、金利低下はインフレ期待ではなく実質金利の低下によるものと言える。この金利低下が潜在成長率低下などの経済悲観の高まりによるものと解釈すれば、それは株安、ドル安に帰結するはずである。しかしそれにしては、米国株価は同日に史上最高値を更新した。株高は先行きの企業の価値創造に自信が強まっていると考えるほかはない。

低金利をもたらす第一義要因は政策の支え
そこで浮上している金利低下の説明は政策の支えである。イエレンFRB議長は繰り返し緩和姿勢が変わらないことを確認し、ゼロ金利解除の前提条件としての失業率目標、インフレ目標を撤廃し、早期利上げ予想を鎮静した。3月のFOMC声明では雇用と物価が目標水準に達し後でもFFレートは過去の正常水準のよりも低くなるかもしれないとの見解を示した。FFレートのターミナルバリュー(正常化した時の均衡レート)は過去4~4.25%(2%インフレ+実質金利2~2.25%%)とのコンセンサスがあるが、それより更に低くなると言うのである。またダドリーNY連銀総裁は、①景況不安により企業は貯蓄のクッションをより多く求めるかもしれないこと、②高齢化と生産性鈍化が潜在成長率を低下させている可能性、③金融規制強化による政策コストを吸収するため金融機関の調達コストのFFレートを低める必要があることなどから、FFレートの出口が低くなることを示唆している。つまり金融緩和姿勢がより長期にわたって継続することを示唆しているのである。

またECBドラギ総裁はデフレ回避のための更なる金融緩和を示唆したが、それがドイツをはじめ欧州の長期金利を引き下げとユーロ安をもたらし、米国国債への資金流入となっている可能性がある。さらに中国によるベルギーなど欧州での覆面介入(ドル買い人民元売り)も米国債需給にポジティブに作用していると思われる。人民元は対ドルで6.05元から6.25元へと半年で3%の切り下げとなった。この間、中国の外貨準備高は増加していないが、海外の清算機関における中国保有のドルポジションが激増していると伝えられている。日銀による量的金融緩和が円安ドル買いを経由して米国国債投資を支え続けていることも言うまでもない。

★図表1-2

以上のようなFRBをはじめとする各国の政策の支えが金利低下と株高をもたらしている、ということは第一義的に説得力を持っている。とすれば、将来のバブル崩壊と経済危機を招来する危険な政策との批判も、正当性を持ってくるのであろうか。

なお、米国財政収支の急速な改善が米国債供給を抑制し需給を改善しているという側面もあるかもしれない。2013年4月から2014年3月までの12か月累計の米財政赤字は4,930億ドル、対名目GDP比▲2.9%とリーマンショック前の水準に戻った(2010年ピークでは▲10%、1兆4,775億ドル)。直近では年間で4,180億ドルの改善(新規国債発行減)が進行しており、それはQE3におけるFRBによる国債購入額(月額450億ドル)に匹敵する額である。これも広義での米国過剰貯蓄の発生と捉えられる。

★図表3-4

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