しがらみにとらわれず個性を徹底追及する会社

・松井証券の松井道夫社長は個性の塊である。強烈な個性が言動に満ち溢れている。松井証券の経営は十分に差別化されており、変化の激しい證券界にあって強固なビジネスモデルを作り上げている。松井社長の話を聴く機会があった。いつもながらの語り口はまことにユニークである。

・「頑張らないで下さい」と、松井社長は社員に言っている。それは「頑張らなくてもよい方法を考えてください」という意味である。20年近く社長をやっているが、本当のイノベーションは顧客に聞いても教えてくれない。まだ誰も知らない商品やサービスを提示するのがイノベーションである。新しい仕組みを作るのが仕事で、そのことばかり考えて、社長室にこもって常に自問自答している。そして、たまにひらめきが生まれるという。

・株式取引の手数料は金融ビッグバンの前は115bp(1.15%)であったが、今では6bpである。20分の1になった。ところが、松井証券の株式の取り扱いは300倍になっており、利益は10倍以上に増えている。手数料競争をして何が残るのか。消耗戦になるだけである。そこで当時、過当競争にならないものを考えた。それが金利であった。信用取引において貸している資金の金利は相対的に安定している。これをビジネスの軸におくことにした。3%の利ザヤで十分な収益を稼げるようにした。

・松下幸之助氏は、執念あるものは可能性から発想する、執念なきものは困難から発想する、と言った。難しいとあきらめるのではなく、出来るための方法を必死で考える。松井社長はこれを実践している。

・もう1つ実践していることは、コントロールできる目標を追求する。コントロールできない目標は無意味であるという。コントロールできるものであれば、努力のし甲斐がある。実際、不満は人に対するものであって、不安は自分に対するものである。不満と不安は対極にあるが、コントロールできるものであるかどうかを問うていく。

・さらに、虚業と実業の違いは何か。価格は顧客にとってコストである。顧客にとって不用なコストを提供するのであれば、それは虚業であり、有用なコストであれば実業であると定義する。世の中でいうリストラは、不用なコストを減らして、ビジネスを実業に戻すことである。

・彼は若い時、日本郵船で働いていた。もともとは画家になりたかったが、美術の先生に無理といわれて方向転換した。就職の時は、1人当たり売上高の高い会社を選んだ。日本郵船では海上運賃の自由化に直面し、運賃が1ヶ月で20分の1に下がるような経験をした。過当競争をどう乗り切るか。その時の経験が證券界でも生きた。

・娘婿として松井証券に入ったが、先代からは「好きにおやりなさい、あんたの責任で!」といわれた。以来、今日に至るまで、虚業を切って、ビジネスモデルの革新を追求してきた。井原西鶴の「始末十両、儲け百両、見切り千両、無欲万両」(日本永代蔵)を引用して、無駄を切り捨てて倹約し、投資をして収益を目指す。失敗することも多いが、社会の公器となって、責任を果たしていく。その証が利益であると強調する。

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