ウクライナとオリガルヒ

「オリガルヒたちがウクライナ東部でほとんど王様のような地位を得ている」と英フィナンシャルタイムズが指摘した。

参照:[FT]非難されるウクライナ大富豪 親ロ派「肩入れ」で
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK1603L_W4A410C1000000/

この背景は、歴史的なものだ。ウクライナは旧ソ連、その前はロシア帝国の1部だった。ロシアでは肥沃な農場地帯、コーカサスと呼ばれる牧草地帯で、昔から農業や酪農が盛んだ。当時は市場経済はなく、農業の担い手は農奴だった。

ロシア革命により、ウクライナでも帝政が終わり、領主がいなくなったが、政治経済は労働エリートの共産党幹部により行われた。その中から、ソ連邦のトップにまで登りつめたブレジネフ書記長(ロシア系)が出た。ウクライナが市場経済に移行したのは1991年末になってからなのだ。

ブレジネフ書記長はユダヤ人を迫害したので、多くのユダヤ人がイスラエルなどに移住した。ユダヤ人とはいえ、ロシア、ウクライナ育ちで、言葉の不自由はない。彼らは市場経済に精通し、資金提供者を含めた西側にコネクションもある。オリガルヒの多くはそういった人たちが帰国したものだと言われている。

ソ連が崩壊した時、私が当時勤めていたソロモンでは、ロシア人の専門家を招いて、状況を解説して貰った。当時、ソロモンのエコノミストで、後、モルガンスタンレーに行ったフェルドマン氏と、日本語で議論するほど日本語が堪能な人だった。彼は、ソ連は15の共和国に分裂するだけでなく、約2000もある自治共和国レベルにまで分裂する可能性があると言った。

実際には、自治共和国レベルにまでは分裂しなかった。というより、全員が市場経済、外交、国防などが未経験なので、小国の独立は現実的だとは思えない。民族的に、歴史的に誰もが未経験なのだ。彼らは独立よりも、どこに帰属すればより有利かと考えるだろう。

日本の報道はどこまでそういったことを理解しているか分からないが、オリガルヒたちと繋がっている西側の報道は、すべてを理解しているはずだ。分かっていて、それなりに情報操作をしている。

クリミア共和国、ウクライナの東部の自治共和国の分離騒動は、1991年末からの流れから捉えると、より理解が深まると思う。ロシアの軍事基地があり、もともとロシアだったクリミアは例外だ。私は、プーチン大統領がウクライナ東部を手に入れるメリットは少ないかと思う。資源や産業以上に負担が大きい。ましてや、西側を敵に回すことのデメリットは大きすぎる。とはいえ、現地に大勢住んでいるロシア人たちが帰属を望み、ウクライナ軍の排除で死傷者が出てくると、国内向けにも、何もしない訳にはいかないだろう。

ウクライナ経済は自立できていない。ロシアの援助の次は、IMFの援助なしでは立ち行かない。そういったことを含め、西側のプーチンいじめと、プーチン大統領の反撃の泥仕合的な様相だ。これまでのところはクリミアを手に入れたプーチン大統領の勝ちだが、今、その代償を払わされている。

私は大事には至らないと思う。ウクライナを西側に引き入れることは、一部の利害関係者を除き、余りメリットがなく、また、スノーデン氏のスパイ網の暴露が効いているからだ。私はスノーデン氏報道にピュリッツァー賞が贈られたことも、興味深く思っている。

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