ウクライナ緊迫に思う

プーチン大統領は1日、クリミア半島への軍事介入を決めた。オバマ大統領は1日、プーチン大統領に電話、ウクライナ情勢について約90分間協議した。オバマ大統領はロシアがウクライナの主権と領土保全に明確に違反しているとして深刻な懸念を伝えた。とはいえ、事実上、ロシアの飛び地であるクリミアを、プーチン大統領が少々の圧力で放棄することは考えにくい。さあ、どうする? 金融市場などという事態ではなくなってしまう。

・ロシアの反ウクライナ感情

私はロシア文学を学んでいたこともあり、1970年代の後半に2回ほど旧ソビエト連邦を、最初の時はポーランドも訪れた。

先生の紹介で、モスクワではモスクワ大学を、サンクトペテルブルグでは、旧名レニングラード工科大学を訪ねた。レニングラード工科大学では学生寮に1泊させて頂いたが、カルチャーショックの連続だった。

2014年冬季オリンピックに向けての、ソチの観光客受け入れ準備の紹介で、2つ並んだ便器の画像を見た方々も多いかと思う。ずさん工事で、訳が分からないとの印象を抱いた方が多いかと思う。

私が案内された、レニングラード工科大学学生寮の男子トイレは、ああいった便器が互いの仕切りもなく4つほど並んでいた。そして、どの便器も内容物で溢れていて、便座の上や、周りにもこぼれていた。幸い、私は小用だったのでそういった便器に座らずにはすんだが、明らかにもう誰も座れない状態となっていた。不思議だったのは、全く臭いがしなかったことだ。五木寛之の小説で、シベリアかどこかの便器が汚く、しかし、臭わなかったという記述があったように思うが、その通りだった。食物や腸の長さのせいで、日本人の便は臭うが、西洋人の便は臭わないという説があるが、私の知る限り、西洋人でも大便は臭うものだ。記憶では白っぽかったので、乾燥していたのかもしれない。とすれば、彼らはどうやって用を足していたのか?

学生寮は男女共用だった。私が泊めさせて貰ったのは男子部屋で、6畳あるかないかの部屋に2段ベッドが2つの4人部屋。たまたま1人が外泊だとのことで、そのうちの1つを使わせて貰った。

先生に紹介され、私を案内してくれたのは女学生で、オーリャといった。オーリャは自分の部屋も見せてくれた。ベッド1つで他には何も置けないような狭い部屋で、そこに2段でない、シングルベッドが1つ置いてあった。そこで、ルームメートを紹介された。2人でくっついて寝ているらしい。ルームメートは既婚で、夫は戦場に行っていると言った。アフガニスタンだったかと思う。その間、彼女は大学で学んでいるらしかった。

まだ夕方だったと思うが、しばらくして、オーリャは、ルームメートにボーイフレンドが来るので、部屋を出なければならないと言った。ボーイフレンドは、ロシア語で若者を意味する「マラドイ・チェラビエク」と呼ぶことを、その時はじめて知った。オーリャにもマラドイ・チェラビエクがいて、紹介された私に不愛想だったが、嫉妬だから気にするなと、オーリャは笑った。

当時のレニングラードは商店の明かりも少なく、通りが広いために、夜になると片側の街灯だけに照らされる街は暗かった。クリスマス前で、繁華街にはツリーの飾りを売る夜店が出ていた。オーリャは、どこにでもあるカラーボールをつまんで、こんなに綺麗!と喜んだ。その素朴さも、私が幼少だった1960年前後の日本の良さ、貧しさと重なり、懐かしいような気になった。

紹介だけで見ず知らずの人を親身に歓待してくれるのがロシア人。プライバシーがないのがロシア人。掃除をしないのがロシア人。素朴で純粋なのがロシア人。モラルがないのがロシア人。パワフルなのがロシア人。いい加減なのがロシア人だった。私にとっては感謝の気持ちしかない。

モスクワでも、レニングラードでも、私が驚いたのはロシア人学生たちの、ウクライナに対する悪感情だった。ウクライナも、キエフ、オデッサ、ヤルタなどを訪れたが、会話をしたのはインツーリストという国営観光会社のガイドたちや、ホテルやレストランの人、タクシーの運転手たちだけだったので、反ロシア感情は分からなかった。

学生たちはウクライナがソ連政府を牛耳っていると言っていた。当時はブレジネフ政権で、ブレジネフは名前からしてもロシア人なので、当時の私は彼らの話す意味が分からなかった。しかし、ブレジネフはウクライナ出身のロシア人で、ウクライナ共産党の幹部としてソ連の書記長にまで登りつめたと知り、今なら納得がいかないでもない。

当時は何かといえば、米ソと言われたように、ソ連は米国と世界の陣営を2分するような大国だった。しかし、私がロシア、ウクライナ、ポーランドを訪ねて感じたのは、ロシアはソ連邦内や、ワルシャワ条約内の同朋国を繋ぎとめておくために、かなり無理をしているということだった。モスクワでもポーランドでも一般家庭にも泊まったが、一般人の生活水準はポーランドの方がかなり高い印象だった。

ロシアのプーチン大統領は私より2歳年上、レニングラード大学出身だ。ウクライナに対しては、強い同朋意識だけでなく、裏切られた思いや、複雑な感情を抱いているかと思う。

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