年初のテクニカル調整は終わったか

人々を興奮の非日常へと駆り立てたソチオリンピックが終わった。また2週間連続の日本全土を覆った空前の豪雪による混乱も落ち着いてきた。市場もようやく平静心に戻る時である。

1月から東京の株式が急落し、アベノミクスはいよいよ賞味期限が過ぎたという悲観的な見方が一気に噴出した。確かに日本株式は1か月で14%も下落したので、ただならないことが起こっている、と思いたくなるのは無理もない。しかしつぶさに中身を見ると、この東京株式の下落は、ほとんどすべてがテクニカルなものである。テクニカルなポジションの整理はほぼ終わったとみられるので、これからテクニカルな理由によって鋭角的にリバウンドする場面に入る可能性が濃厚と思われる。ファンダメンタルズ面では顕著な企業収益の増大と円安趨勢に揺るぎがない。それは更なる経済好循環を生み出す必須の2条件である。仮にこのテクニカルな調整をアベノミクスそのものの失敗に結びつけるという過剰悲観が蔓延しているとすれば、むしろ逆に、テクニカルにはアップサイドの圧力が高まる可能性もある、とも考えられる。場合によっては、3月末は昨年末の高値以上の水準まで株価が上昇する可能性もある。

(1)テクニカル要因による年初頭の日本株式急落

年初の市場、テクニカルな脆弱性がアタックされた
新年が始まった途端、世界の株式市場は乱気流に見舞われた。米国など主要国株式は1か月で7%の下落となった。この下げの原因が、巷間言われている米国QEの縮小による、新興国への投資の巻き戻しだけのことであれば、新興国の市場規模や経済規模からして、深刻なものとは考えられない。そもそも資金の需給や移動に伴う市場の変化は所詮ゼロサムである。新興国の金融資産や通貨が売られれば、逆に新たに買われる資産が現われる。実際一時的にリスク回避ムードが高まって新興国通貨やリスク資産が売られると同時に、資金は先進国国債に向かい、米国国債金利を引き下げたが、それはバリュエーション上、逆にリスク資産の魅力度を高めている。

今回の世界的株安は、昨年末「全く懸念材料が見当たらないことが、唯一の懸念だ」と言われた、楽観心理が蔓延している中で突如起こった。ようやく米国の持続的成長軌道が見え始め、心配されたFRBのQE縮小も整然とはじまり、IMFが2014年の世界経済の見通しを上方修正し、米国株価は、史上最高値を更新するという局面での、ヘッジファンドの仕掛け売りとも見られる超ロングポジションの一気の巻き戻し、が市場のムードを急転換させたと言える。そもそも世界的に先進国企業の業績は、新産業革命による生産性上昇にけん引されて絶好調である。また企業には空前の資金余剰が積み上がり、リーマン・ショック後の需要停滞の中で、資金運用難、投資対象難が世界を覆っている。「好業績と金余り」が続くと考えれば、世界株高がとん挫するとは考えられない。実際、先週末S&P500指数は直近の下落をほぼ埋め、過去ピーク比、1%弱のマイナス水準に迫っている。NYのマーケットのリバウンドは、1月の相場下落の口実とされた米国の景気不安、新興国の金融不安、あるいはテーパリング等量的金融緩和の縮小などが、いずれも解消されていない中で起こっている。ということは、1月の売却はほとんどテクニカルなものであったと考えられる。

日本人不在の日本株式市場は最高のボラティリティーに
1月初頭、多くの人々は、「リスクが見えないのが最大のリスクだ」と言いながら、楽観的なシナリオに増長し、様々なリスク資産のロングポジションを大きく積み上げていたため、テクニカル的に脆弱性があった。従って、1月の時点で存在していた最大のリスクは、テクニカルな売られやすい条件が積みあがっていたということである。このような世界的な株価下落、リスクオフということになると、同時に進行するのがドル売り・円買いである。これによって約5%の円高になり、日本株は米国株の2倍の下落を余儀なくされたのである。1月以降の株価の動きを見てみると、東京の株式は日経平均で14%、TOPIXで13%という大幅な下落になった。NYの株価下落が、S&P500で6%、ダウで7%と比べると、日本株はNYの株価の2倍の下落にあたる。東京の株式のプレーヤーは外国人であり、外国人は円をショートにしながら日本株を買っていたために、円が買われ日本株が売られたことにより、日本株式はダブルの影響を受けたのである。

ということは、テクニカルな過剰なセルオフが完了すれば、テクニカルな大きなアップサイドのスイングが起こりうるともいえる。つまりこれから先は、テクニカルな理由によって日本株がより大きく上がり得るということだ。そのことを裏付ける理由は、最近の東京のマーケットの大幅な高下からうかがわれる。先週発表された2013年第4四半期のGDPが年率1%と期待外れなものであったことにより、一時的に日経平均は大きく売られた。しかし、そのような売却は一時的なもので終わり、引け値はプラスになった。その後、日銀による新たな成長融資支援制度の倍額ということを口実にして、日経平均は一気に3%近い上昇を遂げた。日銀の成長融資支援制度の倍増というニュースは、この著しい株価上昇に見合いの好材料なのかと考えると、ほとんどすべての専門家はそうとは考えていない。つまりテクニカルな理由で売られたものが、今度はテクニカルな理由でリバウンドをし、さまざまな後付けの理由を探しているのが今の状況だと考えられる。

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