市場の懸念は米中の需要不足~SECによるBig 4中国会計監査業務禁止の帰趨には要注意~

アルゼンチンのペソ急落をきっかけに新興国不安が台頭し、先進国にも波及、世界的な株価急落が起きている。この下落の原因が、巷間で言われている米国QE(量的金融緩和)の縮小による新興国への投資の巻き戻しだけのことであれば、新興国の市場規模や経済規模からして、深刻なものとは考えられない。しかし、それにしては下落は執拗であり、日本株式の下落率などは、ベアマーケット入りの目処とされる10%を超えてきた。現時点では即断できないが、市場が懸念している真のリスクを想定しておく必要があろう。

それは、端的に言えば、2大経済大国、米国と中国の需要屈折の可能性であろう。長期金利の急低下はその証左と言えるかもしれない。IMF(国際通貨基金)が2014年の世界経済見通しを上方修正した直後であるだけに、一般的には米中の需要懸念はしばらく先のことと考えられていたが、市場は待ちきれなくなった可能性がある。あるいは、より確かな政策の配慮を求め始めた可能性がある。実質ダウ指数は新たな繁栄のレジーム入りの可能性を示唆するが、それが実現するためには人々の生活スタイルを高度化させ、持続性のある需要創造をする仕組みが必要である。それには時間と工夫が必要である。新たな政策のチャレンジが求められているのかもしれない。

★図表1

(1)実質ダウ株価指数史上最高値更新とサマーズ氏とシラー氏の警告

QEだけで雇用回復、持続成長が可能か
真のリスクは依然米国の雇用にあろう。確かに景気回復に弾みがつきつつあるが、雇用増加は緩慢、失業率の改善は主として労働参加率の低下によってもたらされている。問題の根源はもはや明確である。グローバリゼーションとインターネット主体の産業革命の進展により、労働と資本の生産性が高まり、企業は空前の利益を上げているのに、人余り、金余りが止まらないのだ。失業が放置されれば大恐慌になる。唯一の対応は新規需要の創造により、余剰資本と余剰労働を活用し新たな価値創造と成長につなげることである。それを金融政策QEだけで実現できるのか。

★図表2-3

確かにQEはリーマン・ショック後の危機を見事に回避し、成長軌道を復元したけれども、その推進力は不十分である。問題は空前の規模に膨れ上がる余剰資本が潜在需要の喚起に結び付きにくい点にある。企業は設備コストの低下などにより償却を使いあぐねている。また海外に積み上げられた企業余剰は母国の需要には結びつきにくい。各国では活況の株式により富裕層は潤うが、底辺の需要は今一つである。

サマーズ氏の問題提起
サマーズ氏は需要創造には、創造的財政政策、税制改革、投資を促進する制度改革が必要だと主張する。これ以上の金融緩和は、更なる資産価格の上昇をもたらすが、その需要を生み出す効果はどんどん減衰し、バブルを作る可能性が高まる。しかしだからと言って、完全雇用が実現できないのに、資産価格を抑えるための金融(引き締め)政策や貸出基準の厳格化をすることは、有害である。サマーズ氏は、第二次世界大戦後長期停滞論がコンセンサスであったが、そうはならなかったことに見られるように、長期停滞は宿命ではなく適切な対策で回避可能なのだと主張している。

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