ダボス会議あれこれ

・極端な所得格差

2014年1月22日~25日で行われたスイス、ダボスでの世界経済フォーラムでは、2014年に世界で最も懸念されるリスクとして、以下の10項目が挙げられた。

1、主要経済国の財政危機
2、構造的な高失業、不完全雇用
3、水不足
4、極端な所得格差
5、気候変動の緩和と適応への失敗
6、異常気象による災害の拡大(大洪水、大嵐、大火災など)
7、世界統治の失敗
8、食糧危機
9、主要金融システム、あるいは金融機関の破綻
10、深まる政治的、社会的不安定

このうち、リスクが顕在化した場合の深刻度で最悪となると見込まれているのが、「主要経済国の財政危機」だ。一方、深刻度もさることながら、最も顕在化の可能性が高いのが「極端な所得格差」だとされた。
参照図:
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極端な所得格差によって、大きな資金で大企業を買い、富裕層が政治にも大きな影響を与えることが可能になるなど、民主主義の土台が揺らいでいるとされている。

金曜日に行われたダボス会議で調査された代表のほぼ3分の2は、貧富格差の拡大が米国政治に腐食作用を及ぼしていると答えた。同時に、70%は民主主義には自己防衛機能があると信じていた。「我々には、修正機能がある。人々は真実を述べる議員を支持するからだ」とした。一方で、強大で規律があり、開かれた政府を確立する政治システムの構築が必要だとする声もあった。

ハーバード大学のエコノミスト、ケン・ロゴフ氏は「相続税が低いために、財産は何代にもわたって次世代に引き継がれる。持たざる者に政治的な影響力があるとは思えない」と指摘した。同氏は社会の固定化が進んでいるので、より累進課税的な税制が必要だとした。

ノーベル経済学賞受賞者ジョセフ・スティグリッツ氏は、「貧しい人々の投票機会が奪われており、経済的不平等が政治的不平等につながっている。米国は少数の意見が反映されなくなってきており、民主主義の危機にある」とした。同氏は投票の義務化、選挙監督機関の予算の増強、公益団体への政府支援、企業のロビー活動に対抗できるだけの公的情報の拡充を呼び掛けた。情報が十分でなければ、身体に悪いものでも、喜んで買わされるとした。

米国史専門家の作家TJスタイルズ氏は、グローバル化により企業が規制逃れしやすくなっていることも、原因だとした。企業は富で規制をコントロールするだけでなく、匿名の寄付によって、文化的な価値観を支配しようとしている。「大きな富は必要だが、大きな富の批評も必要だ」とした。
参照:Davos elite: Inequality corroding democracy
http://money.cnn.com/2014/01/24/news/economy/inequality-politics-democracy/index.html?iid=lead2

これらの意見に触れていると、極端な所得格差は、顕在化の可能性が高いリスクどころか、すでに随所で顕在化しているように思える。

世界各国で、現在進行中の多くの騒乱の政治的な背景を知るのは困難だが、大規模な騒乱の背後には、間違いなく大きな資金が動いている。資金がなければ、武装どころか、長期間のデモすらできないからだ。

米国内を含めて、世界の大きな資金が自分たちに都合の良いルールづくりを始めている。富を増やし、その固定化を図るだけではない。政府、民主主義、文化、歴史なども、自分たちの意に沿うように変えようとしている。

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