シニア消費は今後も拡大するか

 日本社会は今後高齢化が進行していく中で、外国人投資家から日本の高齢者(シニア層)は本当にお金を使うのかという質問をよく受けます。
 そのため今回は高齢者の消費動向について考察してみました。2012年の60歳以上のシニア層の総人口に占める比率(人口構成比)は30.7%、総世帯数に占める比率は41.7%です。国立社会保障・人口問題研究所によれば、2050年の人口構成比は、45.1%まで上昇すると推計されています。一方、世帯主の年齢階層別純貯蓄はシニア層に偏在しており、個人金融資産が消費に本格的に回るのであれば、シニア層の消費動向が消費全体に与える影響が大きいと言えます。
 個人消費に占めるシニア層の比率は40%強に達しており、2000年以降この比率は一貫して上昇しています。これは高齢化の進行でシニア層の人数が増加することに加え、シニア層の消費性向が趨勢的に高まっていることが要因です。2012年の7月の日銀レビューで、シニア層の消費性向の上昇要因ついて以下のように分析しています。2000年代前半については、介護保険が導入されて、シニア層の将来不安が低下したことが影響した可能性があります。つまり介護に対する公的支援の拡大によって、自ら貯蓄して介護費用を支払う負担感が後退したことが消費を後押ししたと指摘しています。2000年代後半については、この時期にシニア層に達した「団塊の世代」(いわゆるアクティブシニア層)の消費性向の高さが影響している可能性が高いと指摘しています。同時に、シニア層の需要をとらえるべく、供給サイドでは、企業側のシニア層をターゲットとした商品やサービスの提供が進んだことも影響していると思います。
 シニア層の消費動向を家計調査の項目別で見ると、食料、水道光熱費、保険医療、教養娯楽
・その他消費費出の比率が高くなっています。その他消費項目の中では、葬祭、交際費、贈与費のウエートが高くなっています。また2011年の内閣府「高齢者の経済生活に関する意識調査」の今後優先的にお金を使いたいと考えているものは、健康維持や医療介護のため支出が42.8%、旅行が38.2%、子供や孫などへの支出33.4%、住宅の新築・リフォームが27.3%となっています(3つまでの複数回答)。

 以上のことからシニア層の消費の特徴は、①時間的に余裕があるため、趣味や娯楽・レジャーなどのお金を使う「モノ」よりは「コト」を重視する傾向がある。②また健康の維持や増進に対するニーズが強く、人生経験が豊富であり物や考え方にこだわりが強いため、価格だけでなく品質や安全・安心感を重視する傾向があるということにあると考えます。
 このようなシニア層の消費ニーズをうまく取り込んで成功している代表例が、セブンイレブンです。同社はいち早くヘルシーな惣菜の投入し、セブンミールで弁当等の宅配事業を行っています。また店舗の商品アイテムも住宅地ではシニア層を意識した品揃えになっています。特に同社が注力しているセブンプレミアムは、価格だけでなく品質や食材などにこだわった商品コンセプトになっておりシニア層のニーズも取り込み売上を伸ばしています。50歳以上の来客数は全体の30%強に達して、他のコンビ二が苦戦している中、既存店売上高を順調に伸ばしています。コンビ二業界ではローソンも健康商品などシニアを意識した商品開発を強化していく方針打ち出しています。コンビ二業界に限らず企業側のシニア層を対象としたサービスや商品開発が今後加速していくことが期待されるため、シニア層の消費は今後も堅調に伸びていくと考えます。
 特に今後シニア層の消費が大きく伸びていく分野としてはEコマースが注目されます。2012年通信利用動向調査によるとインターネット利用率は20代~40代の平均95%に対し、シニア層の利用は7割以下にとどまっています。
 シニア層のインターネット利用率は今後も上昇するうえ、今後はパソコンやモバイル端末に慣れた団塊の世代がアクティブシニア層へ移行することから利用金額も増加すると考えられます。また時間的に余裕もあり、家にいる時間も長いという行動からみても、インターネットの利用に慣れればその頻度が上昇する可能性が高いため、将来的にはEコマースでもシニア層が存在感を示すと思います。
 結論として日本のシニア層は既にお金を使い始めており、企業側もアクティブシニア層のニーズに対応した商品やサービスが増加させていることから、シニア消費の伸び率は今後大きくなっていくと考えています。シニア層の消費が消費全体の与える影響は、今後一層高まるためこの層への取り組みの成否が企業間格差を広げていくと考えています。

※当コラムに掲載された企業は、あくまでも当コラムの内容の理解を深めて頂くためのご参考として掲載したものであり、個別企業を推奨しているものではありません。

このページのコンテンツは、スパークス・アセット・マネジメント㈱の協力により、転載いたしております。
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