欧州委員会がドイツの経常黒字を調査

米財務省は10月下旬に公表した為替報告書で、ドイツの輸出依存型の経済構造を批判した。それに対し、ドイツ政府は、ドイツ経済や「ユーロ圏にとって」懸念に当たらないと反論していたが、欧州委員会は13日、ドイツの経常黒字が膨らんでいることに対して調査を実施する方針を発表した。

2013年10月版IMFの資料(World Economic Outlook Databases)では、ドイツの経常黒字は年間2384億9000万ドルで世界一となっている。2位は中国の1931億4000万ドル、3位はサウジアラビアで1646億9000万ドル。ちなみに、日本は11位で604億5000万ドルの黒字。米国は最下位の186位で4404億2000万ドルの赤字だ。

貿易収支ではOECD35カ国中、1位が中国で年間3222億7000万ドルの黒字。2位にドイツで2284億9000万ドル。3位がノルウェーで765億6000万ドル。ちなみに日本は32位で728億5000万ドルの赤字。米国は最下位の35位で7414億8000万ドルの赤字となっている。

3位は共に産油国。ドイツと1、2位を独占する中国は、長らく為替操作国との責めを受けている。これまでドイツが見逃されてきたのは、ユーロという隠れ蓑をまとっていたためだ。

私はユーロに関してまとめた書物やブログ、メルマガで、ユーロはドイツが武力に代えて欧州支配のために導入したツールではないかとまで書いた。

その理由を簡潔に説明するために、以下のマクロのファンダメンタルズの4数値を作成した。OECD発表の直近の数値は2011年までだが、ドイツ、ギリシャ、ポルトガルの数値と、政策金利の推移を並べてみた。

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2007年は米国サブプライムショックの年で、欧州では英国、アイルランド、スペインなどがその余波を大きく受けた。2008年はリーマンショックの年だ。

ドイツ、ギリシャは2006年から、ポルトガルは2007年から経済成長が減速するが、政策金利は2006年の2.25%から2008年には4.25%に上昇する。考えられる理由は欧州中銀の中核をなすドイツ連銀の伝統的な政策、インフレ退治しか考えられない。ドイツの消費者物価指数は2008年まで上昇するからだ。

つまり、米英が未曾有といわれる金融緩和を行っている時期に、ユーロ圏は金融引き締めを行ったのだ。ユーロドルは2007年7月の1.35近辺から2008年7月には1.60にまで上昇する。米英の落ち込みに加え、金利高と通貨高でユーロ圏の経済は悪化した。

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2006年まで、貿易収支を除き、ドイツ経済が優良だった形跡は見られない。失業者数は400万人を優に超え、失業率もギリシャやポルトガルよりも高い。転機は2007年のサブプライムショック、2008年のリーマンショックだった。通貨・金融政策を握る国と、従う国のファンダメンタルズが入れ替わったのだ。ドイツは百数十万人分の雇用を創出し、失業率は2008年に交差する。

経済が落ち込み、財政が悪化した国々は、緊縮財政で更に悪化することになる。

欧州委員会が調査しても、ドイツに為替操作の証拠はない。ユーロ圏は同じ通貨、同じ政策金利で、同じ土俵で戦っているのだから、ドイツが有利だとは誰も言えない。

世界経済における金融政策の力は膨大だ。ユーロの問題は、ドイツが金融政策のタイミングを決められることなのだが、これはユーロ圏諸国が国民投票で認めたものなので、自業自得だとしかいえないのだ。

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