色褪せるアベノミクス?

「相場のイロハから実践まで、徹底理解セミナー」
12月7日(土)10:00~18:20 定員10名様限定
→詳細:http://s-chart.com/seminar20131207.html

・米株、史上最高値を引き続き更新

先週金曜日の日経平均は3%近く下落、398.22円安の終値14088.19円と、5月の高値15942.60円どころか、7月の高値14953.29円にも近付けないでいる。一方で、今月初めの2週間、1部の政府機関の閉鎖でもたついていた米株が復調、金曜日には、S&P500株指数が史上最高値を更新した。最高値更新は直近7営業日で5回目となった。年初からの値上がり率は23.4%で、2009年に記録した23.5%までもう一歩と迫った。年末時点でこの水準を超えれば、年間の上昇率としては過去10年間で最高となる。

米株上昇の一大要因は金融緩和だ。リーマンショックを受け、米連銀は2008年11月に量的緩和を開始、12月には政策金利を現行の0.25%にまで引き下げた。以降、質的、量的の金融緩和は継続中だ。

S&P500株指数は、2009年2月の735.09ポイントから先週末の1759.77ポイントまで上昇する。CRB指数に見る商品価格も、2009年初めの200ポイント丁度近辺から、2011年4月には370ポイントにまで上昇した。米国債価格は2012年に短期債がマイナス利回りになるまで上昇した。

未曾有の金融危機による景気後退で、債券が買われるのは教科書通りだ。とはいえ、マイナス利回りにまで買い続けるのは、債券保有者が償還まで持ち切れば確実に損をする超高値なので、投資運用の教科書通りとは言えない。また、景気後退時に株や商品が買われるのも、不思議だと言えば不思議だ。実際に米の個人投資家たちは、サブプライムショック、リーマンショック以降は株式を売り越し続け、買い越しに転じたのは2012年10月以降、S&P500株指数が1400ポイントを超えてからなのだ。

株式とは景気や企業業績を買うものだという思い込みや、教科書を書くような識者たちのミスリードにより、米個人投資家たちも3年半で株価倍増の大チャンスをみすみす見過ごしたことになる。

私はここでくどいほどに繰り返しているが、通貨の大量供給は相対的に何かの価格を引き上げる。その時、供給余力の少ないものの価格が最も安定的に上昇する。商品が一時的に急騰しながら、2年余りで頭打ちになったのは、高値が一次産品の大量供給を呼び込んだからだ。

現状の株式市場はカネ余りで買われるという、いわゆる金融相場だ。金融相場はまた不況の株高だが、景気拡大が見え始めた今は、金融相場から業績相場への移行期にある。米の個人投資家たちは、いわば金融相場には乗らず、業績相場を見越して参入してきたことになる。

日本の信用取引に相当する証拠金債務は、この9月に前月から5%増の4012億ドルと過去最高となり、直近の最低だった2009年2月と比べて2.3倍となった。これは投資家の強気マインドだけでなく、低利のカネ余りを反映している。

そういった世界の資金の流れを見ていると、米投資家の「債券から株式へ」の資金大移動に約1カ月遅れの日本株の急騰の始まりは、アベノミクスとは直接関係がなく、大潮流の一環でしかないとの見方もできる。実際、日本株の買い手は海外勢だ。もっとも内部抗争に明け暮れ、消費増税に自己の政治生命をかけた前野田民主党政権では、それでも日本株が見送られた可能性は否定できない。

日本株は昨年11月半ば過ぎから急騰、5月下旬までは世界の株式市場を牽引する勢いだったが、増税決定、アベノミクス第3の矢の内容が徐々に明らかになるにつれて、失速感がでてきたかのようだ。

・エネルギー政策

政府は火力、原子力、水力など最適な電源構成比率について「3年以内に目標を設定して10年以内に構築していく」との見通しを示した。3年以内とするのは、原子力規制委員会がどれだけ原発の再稼働を認めるか見通せないからだ。

原子力を見切らない限り、経済政策の根本とも言えるエネルギー政策が宙に浮いたままだ。その負の効果は、おそらく甚大かと思う。評価損を抱えて思考停止状態となり、終には破綻したいくつかの金融機関を見る思いだ。

小泉元首相は「安定、安全、安価」な電力供給を謳った原発は、もはや幻想だとして、原発全廃を主張するようになった。

一方で、原発がなければ高い天然ガスを輸入せねばならず、日本の産業の競争力が低下すると、原発推進派は主張している。

日本が輸入する天然ガスが高いのは、貿易の障壁や、設備等の障害があるためで、天然ガスそのものはどのエネルギー源よりも安い。日本が一定期間でも安定購入すると決めれば、ロシア、カナダ、米国などからの輸出攻勢で、天然ガスの輸入価格はおそらく劇的に下がる。

また、3年前には原発がフル稼働していたが、その時と今と比べて日本の産業の競争力は低下しているだろうか? 原発推進派の主張とは裏腹に、高いエネルギーコストを払っても、日本の輸出企業だけでなく、観光業などの内需産業も競争力を回復しつつある。「安定、安全、安価」のどれもが嘘だったように、原発推進派の発言は嘘ばかりだ。データをもとに発言して貰いたいものだ。

もし、原発推進派の本音が原子力のノウハウの維持ならば、福島の事故処理と、他の原発の廃棄処理で、日本は世界をリードすることができる。

日本の産業が競争力を回復した一大要因は円安だ。円安にはいくつかの要因があるが、天然ガス購入による外貨需要も1つの要因だ。その意味では、高い天然ガス購入が日本の産業の競争力を低下させているという主張そのものを、再検証する必要すらでてくるのだ。

日本は貿易を通じて世界に売りたいものが多い。売るばかりだと、以前のように超過黒字となり、貿易摩擦の原因ともなる。買うものがあることは、必ずしも悪いことばかりではないのだ。

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