サクソバンク2013年第4四半期マーケットインサイト:トップストーリー

【内容】
1.混乱にあふれて
2.FRBの緩和縮小先送り
3.新興市場の動向
4.中小企業の活性化が不可欠
 

1.混乱にあふれて

 2013年第3四半期は、政策当局がその場しのぎに走る場面が多く、1990年代前半の映画のタイトル風に表現すると「混乱にあふれて」という感じでした。それはほぼ想定の範囲でしたが、第4四半期および2014年初めには何が起きるのでしょうか。

 いくつかの傾向が同時に強まろうとしています。世界経済は再び減速に陥る見通しであり、金利動向への見方をリセットする必要があります。その背景にあるのは、米連邦準備制度理事会(FRB)の資産買い入れ縮小の見送り、中国を含むBRICsの経常収支の動向、輝きを失った新興市場の成長モデル、限界を迎えた主要国政府の問題先送りの姿勢です。

2.FRBの緩和縮小先送り

 米連邦公開市場委員会(FOMC)は9月に量的緩和策(QE)の縮小を見送りましたが、そのことは債券市場で事実上プットオプション(売る権利)を発行したことを意味します。FOMCは金融政策の先行きの見通しに関する「フォワード・ガイダンス」で低金利の長期的な維持を約束してきましたが、期待された効果を得ることはできませんでした。市場はQE先送りを金融政策の正常化へのプロセスだと受け止めました(おそらくは間違っていますが)。しかし、FRBがそもそもQE縮小を始めるための前提条件としてきた経済指標の著しい改善は全く見られていません。

 FRBは、QE縮小見送りの公式な理由として「金融条件の逼迫」を挙げましたが、それはフォワード・ガイダンスが年内の期待金利上昇を抑えることに失敗したと認めたことになります。FRBは現在、10年物米国債で3%、30年物モーゲージ債で4.5~4.6%を越える金利上昇は容認できないとしています。これで米債券市場は米株式市場と同様に「FRBプット」の恩恵を受けられることになりました。株式市場は25年以上も前に当時のアラン・グリーンスパンFRB議長が打ち出した利下げという市場支援策(グリーンスパン・プット)を受け、その支援策は後任のベン・バーナンキ議長によって大幅に拡大されてきました。

 現状からは興味深いことが読み取れます。それは、相対的な資産価値が変化していることです。株式に比べて債券のほうが資産価値を高めつつあります。市場がそのことを完全に実感するまでにはあと数回のFOMC会議が必要ですが、市場は10年物米国債の利回りが2013年第4四半期末までに2.25%に低下するとすでに予想しています。2014年に入り、同年のアメリカの経済成長率がマイナス2%からプラス1%の間という見通しを前提にすると、米国債金利は史上最低水準を再び試す可能性が大きいと言えます。

 アメリカの成長率鈍化の要因はいくつかあります。まず、雇用創出の低迷です。すでに就業率は下がっています。さらに、住宅市場は厳しい状況にあります。それは、30年物モーゲージ債利回りが3.4%から4.6%へと120ベーシスポイントも上昇したからです。その結果、多くの消費者は住宅価格の水準を再考して、買い控える傾向を強めています。これらの要因に加えて、間もなく政府と議会の間で始まる本格的な予算協議の行方がアメリカに影を落としています。連邦債務の法定上限引き上げについて合意が見られない限り、企業の最高経営責任者(CEO)や最高財務責任者(CFO)の間で新規投資への意欲が高まることはないでしょう。

 サクソバンクでは、2014年第1四半期、さらに少なくともその後の数四半期については、景気減速を予想しています。その理由は、サクソバンク独自の経済分析モデルの多くが同じ傾向を示しているからです。例としては、ディスインフレ環境の継続、歳出削減の可能性があげられます。ほかにも、中産階級の収入源による内需後退と流動性減少という二重苦に直面する新興市場があげられます。

 サクソバンクの経済分析モデルは、景気循環の現況とともに、経済の牽引要因と足を引っ張る要因のピンポイント分析が可能になるように設定されています。その主な指標には労働時間、住宅市場動向、インフレ率、債券利回り、交易条件、生産性などが含まれます。多くの人々は株式相場が景気の先行指標だと考えているようですが、サクソバンク分析モデルはそれとは逆のことを示しています。これらのモデルを使えば、実体経済が株式市場に平均3カ月程度先行していることがわかります。

 したがって、9月に見られた相対的な景気減速は11月/12月まではバリュエーションに反映されません。株式相場、バリュエーション、それに消費需要は景気動向を示す最初のサインです。それを考えると、S&P株価指数やリスク資産には今年11月/12月に値上りの余地があると考えられます。

 世界経済にとってパーフェクト・ストーム(複数の災いが同時に発生して壊滅的な被害がもたらされる現象)の発生が予想されるのであれば、それはグッドニュースです。それ以外に、雇用や家計収入の増大という最優先課題の達成には有効と言えなかった金融実験を終わらせる方法がないからです。過去の主要な政策変更のすべては、株式相場の大暴落または失業率の急激な悪化の後に起きています。2014年がその基準にあてはまる年になるかもしれませんが、現時点では量的緩和策の縮小ではなく、その継続に向かっていることだけは確かです。それは、あと1~2カ月は希望が持てること、つまり市場のバリュエーションの上昇が期待できることを意味しています。

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