それぞれの引退模様

今年も多くのプロ・スポーツ選手が引退したが、個人投資家には引退がない。人生における資産管理を、他人任せにしないのが、個人投資家だ。死ぬまで、あるいは判断力がなくなるまで、現役のままなのだ。個人投資家自身の今の判断が、将来の自分自身に影響する。

・記憶に残る選手

今年も多くのプロ野球選手が現役引退を表明した。記憶に残る選手では、斉藤和巳投手、石井一久投手、前田智徳外野手、宮本慎也内野手、山崎武司選手、桧山進次郎外野手、藤本敦士内野手などがいる。

野球殿堂入りなど記録に残る選手もいれば、優勝に貢献したなど記憶に残る選手もいる。山崎武司選手は本塁打王2回、打点王1回と、記録にも残っているが、通算25年の現役生活で1833安打と、殿堂入りは逃した。「監督の指示にもう少し従順だったなら、2000本は打てたと思う」とのコメントには、私なども自分の身に照らし合わせて、「さもありなん」と感じた次第だ。山崎武司選手の豪快なスイングも記憶に残るが、桧山進次郎外野手の腰の入った、流れるようなスイングからのライナーは絵になった。

ベテランの現役引退とはいえ、皆30台半ばから40台半ばまでの働き盛りだ。これまで選手としての一芸を極めた人たちなのだから、きっとコーチや監督、あるいは何をやっても、一流になれるかと思う。

とはいえ油断は禁物で、海外、他のプロスポーツではあるが、引退後の選手の厳しい現実を目にした。

・NFL引退後、8割の元選手が5年以内に自己破産

先日、何かのメディアで、野球やサッカー選手以上に高給取りで有名なプロ・アメリカンフットボール(NFL)の選手たちの8割が、引退後5年以内に自己破産しているという記事を目にした。

大金を手にすると、使い方が派手になるのは珍しいことではない。小室哲哉氏などは、同じ高級外車を色違いで同時に5台購入した時期があったようだが、自己破産した。アメリカではこの1、2年でグラミー賞歌手のディオンヌ・ワーウィックとローリン・ヒルが自己破産した。税金が支払えなくなるケースが多い。

それにしても、8割という数値は異常だ。自分の中で消化しきれないでいたが、あるいはと思える記事をブルームバーグで目にした。シタデルというヘッジファンドの元ファンドマネージャーが、離婚した元妻への慰謝料の支払いが滞り、何度も刑務所入りしているという記事だ。

プロ・アメリカンフットボール選手の多くは身体のどこかを痛めている。引退後に日常生活に支障をきたすほど痛めているケースも少なくないと聞く。脳震とうの後遺症だけでも、4500人を超える元選手たちがNFLに補償金を求めて提訴した。
参照:NFL and players reach ‘$765m concussion settlement’
http://www.bbc.co.uk/news/world-us-canada-23885571

これだけの多くの元選手が脳震とうの後遺症を抱えているとすれば、他の疾患を合わせての医療費の負担は相当なものだろう。

また、現役時代に運動能力を高めるための薬物に手を出すケースも多い。男性ホルモンを過剰に与える薬物が多いので、そのための自分の器官が不要となり、委縮して役に立たなくなるケースがあるという。これは夫人が離婚を申し立て、財産の半分近くの慰謝料が認められるケースともなる。

ここからは私の邪推だが、プロ・アメリカンフットボール選手との結婚を望む女性の何割かは、金と名誉と、強靭な肉体が目当てかもしれない。そう思うと、浪費と税金、医療費とそういった「人生の罠」で、8割が引退後5年以内に自己破産というのも、考えられなくはないと思えてきた。

・個人投資家には引退がない

プロのディーラーやファンドマネージャーには引退がある。大金を手にして、双六の「上がり」のように引退した人もいれば、私のように「1回休み」から、「振り出しに戻る」となった者もいる。自虐ネタではない。官軍も賊軍も、時代の流れ、時の運で、「1回休み」や、「振り出しに戻る」は、すべてゲームの約束事だ。プロとしては上がれなくても、資金運用者としてはいつまでも現役で、そこそこの成績はいつでも残す自信がある。

山崎武司選手は、「監督の指示にもう少し従順だったなら、2000本は打てたと思う」と言ったが、監督に従っていたなら怪我をして、もっと選手生命が短かったかもしれない。官軍も賊軍も、時代の流れ、時の運で、何か良かったかなどは分からない。私が好感を持てるのは、同選手が「自分を貫き通したという自負」の方を、野球殿堂などという他人の評価よりも優先したことだ。

私がプロとして上がれなかったのは、それだけの人物でしかないからだと思う。上に従順などというレベルではない。私ほど謙虚でない人間は、数少ないかもしれない。我ながら恥ずかしい位で、皆が「勝手にしろ」と思うのも道理なのだ。仲間も多いが、よく付き合ってくれていると感謝している。私のような者が上がっていたなら、おそらく様々な「罠」にはまり、悲惨な目にあっていたかと思う。

私のことなどは、どうでもいい。おそらく確かなことは、私が大手金融機関やウォールストリート、シティーなどで得てきた知識や経験は、個人投資家の少なくとも一部の人たちには役立つことだ。提供できるものはたくさんある。

個人投資家には引退がない。というより、人生における資産管理を、他人任せにしないのが、個人投資家だ。死ぬまで、あるいは判断力がなくなるまで、現役のままなのだ。

主要各国の緩和政策にはメリットもデメリットもある。分かりやすいメリットは景気浮揚だ。デメリットは通貨安、信用の失墜だ。景気が良くなれば、消費も業績も拡大し、株価の上昇要因となる。通貨安はインフレを意味するが、何が高くなるかを見極めることで、順風にも逆風にもできる。信用の失墜は国の信用だ。

相場だから上げ下げする。他の要因も多い。しかし、現状の相場の最大の要因である量的緩和のメリットとデメリットは、あくまで個人的な見解でしかないが、どちらも株高と国債価格の下落を示唆し、概ねその通りに動いている。

個人投資家自身の今の判断が、将来の自分自身に影響する。

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事

 
 

[PR] クレジットカード比較ランキング

んかぶピックアップ
ネット証券口座比較 ネット証券口座比較
証券口座選びを完全サポート
総合ランキング1位はこちら!
FX比較ランキング FX比較ランキング
みんためスタッフが独自調査で
おすすめのFX会社を紹介!
クレジットカード比較 クレジットカード比較
おすすめのクレジットカードを
ピックアップしてご紹介!
【株式投資初心者ガイド】 ネット証券会社選びお役立ち情報!
投資家に役立つ情報が満載
【株式投資初心者ガイド】
みんかぶマガジン> 全ての記事> その他> それぞれの引退模様