日系企業は中国から撤退しているか

 日中関係の悪化を背景に、日系企業が対中投資を見直し、アジア諸国に移っているという「脱中国」論がある。果たしてどうか。直近のJETRO調査によると、縮小・撤退の割合はわずか7.7%に過ぎない。61%が拡大、22%が現状維持である。企業は依然、中国市場に期待をつないでいる。一方、日本の中国向け輸出は大幅な減少が続いており、一人日本だけ中国市場を失っている。これは日中の政治的緊張の高まりが原因であろう。
 アベノミクスは今秋、いよいよ鼎の軽重が問われる。異次元緩和の効果には一部で疑問が出され、また、来年4月には消費税増税もある。経済政策は正念場に立つ。日本経済はもともと輸出主導型であり、経済回復には日中関係の正常化が必要なのではないか。国際政治のリアリズムを考えると、安倍首相の対中政策の方針転換は近いかもしれない。

1、日系企業の緊急アンケート調査

 JETROが中国ビジネスを行っている日系企業にアンケート調査したところによると(8月実施、有効回答651社)、「既存ビジネスを拡充、新規ビジネスを検討する」が60.7%もある。大企業ほど、この傾向が強い。また、現状維持が21.5%である。これに対し、「既存ビジネスの縮小、撤退を検討する」は7.7%である(図1参照)。

図1 中国ビジネスからの撤退か拡充か(JETRO調査)
図1

 日中間の政治関係の悪化、中国リスクの高まりを背景に、日系企業の中国ビジネス見直しを伝える報道が増えているが、実際には「縮小、撤退」は少ない。市場規模、成長性など販売面でビジネス拡大を期待できると考えている企業が多い。

 ちなみに、中国ビジネスの縮小・撤退を検討する企業(全体の1割未満)は、「人件費が高い、上昇する」を理由としている。たしかに、中国の賃金上昇はすさまじい。筆者の調査によると、2005年から11年までの名目賃金上昇率は、タイやフィリピンなど東南アジア諸国は6年間で20~30%に過ぎないが、中国は120%も上昇した。労働集約型産業の一部で中国を逃げ出す企業があって当然であろう。

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