為替を知れば株式市場も見えてくる! 株式投資家にとって必要な為替相場の見方とは!?

───岡三オンライン証券投資戦略部長・武部力也氏に聞く

 2020年の東京五輪開催も決まり、久々に活況を取り戻した感のある株式市場。早くも関連銘柄の株価が高騰するなど、半世紀ぶりの国際イベント開催の報は、市場停滞を打開する好材料を待望していた多くの投資家のマインドを明るくさせている。何と言っても7年後に向けて、日本社会が大きな目標を見出した意義は大きい。
 とは言え、冷静に考えてみればこの“ご祝儀相場”がいつまで続くかは不透明だ。アメリカの金融緩和縮小、証券優遇税制の期限切れ、消費税導入による消費減退の懸念、企業業績回復の真贋、そして何よりアベノミクスの真価が問われる成長戦略第二弾の内容など、今後の市場成長に影響を及ぼす不安定要素は少なくない。
 そうした状況で投資家にとって改めて必要になるのがあまた溢れる情報の中から、真に参考にすべき情報を吟味しながら受信する能力だ。特に近年、株式相場との相関性を高める為替相場の動向を分析する視点は、投資に必要な視野の広さを養うためにも大きな意味がある。
 そこで本稿では、ドル円外為ブローカーとしての豊富なキャリアによって培われた相場分析眼によって、日々、質の高い為替相場情報を発信している岡三オンライン証券投資戦略部長の武部力也氏にお話しいただき、株式投資家にとっても必要な為替相場の見方を解説してもらった。

相関性が高まる為替と株価の推移

━━日々、各メディアで最新の為替動向を積極的に発信されている武部さんですが、アベノミクス始動以来の為替と株式市場の環境をどう捉えていますか。

武部力也氏武部 まず、初めに言えるのは、昨年末のアベノミクス始動以降、ドル円相場と日経平均株価の相関性が非常に高い状態が続いているということです(図①参照)。今、リスクオフ、リスクオンという言葉が盛んに言われています。リスクを回避する場合には安全性の高い円を買い、リスクを取ろうという場合には円を売り、株式などに資金が向かう。こんな流れが定着し、現在の株価の動向は、円が売られれば上昇するし、円が買われれば下降するというサイクルを繰り返す状態が続いています。
 これはアベノミクスの方向性、つまり「必ずデフレを脱却させなければならない」という命題を安倍政権が強く持ち、国策として推進していることが市場に理解されていることの現れだと考えています。グローバル市場の投資家たちが、この政策に対して懐疑的になれば円を買い、信認すれば円を売ってリスク資産である株式へと資金を投入するという流れです。

━━おっしゃるように、“円高=株安”あるいは“円安=株高”という状況が完全に定着していますね。言い換えれば、株価の動向は所詮、為替動向次第というような印象を受けかねない現在の相場です。

武部 要は海外の投資家が日本経済や日本社会をどう見ているかということなんです。往々にして株式投資家の方々は、投資対象の銘柄に過度な思い入れをしてしまう。例えば現在、東京五輪の招致成功で一気に日本株への期待感が高まっていますが、私はもう少し冷静な視点が必要だと思います。五輪が実現してもしなくても、政権がデフレ脱却を命題に掲げ、それに向けて確実に政策を実行していく限り、株価のゆるやかな上げ潮基調は揺るがない。
 五輪開催決定の直後に、一気に日経平均3万円、4万円などと威勢の良い話が出ましたが、それで騒ぐことが危険だと思う。少々冷や水を掛けるようですが、為替相場の視点で見ればそのことがよく分かります。まず、ドル円の為替相場のボラティリティはせいぜい年15円程度が限度です。今年の最安値は86.535円ですので、これ以上、円安が急激に進行するということは考えにくい。現在の株価と為替の相関関係を見れば、株価もそれに応じて、今後急激に上昇する可能性は高くない、というのが私の考えです。

図① ドル円と日経225の推移(2013年)
図①

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